ペンギンハザードII ～カオス三倍兵器～

お昼休み 分室のモニターには、水族館のペンギンがのニュースが映し出されていた。 「ペンギンさんて、よちよち歩いてるけど…水の中では飛ぶように泳ぐんですね。すごいなぁ。」 「ほう？鳥にも水陸両用がいるのだな？」 ほんわか呟く若菜少尉に真面目に答えるブロント少尉。 その時、分室の隅から**「ビキーン！！」**という高周波音が響く。御宅参謀である。 ヘッドセットを外し、興奮を隠せない表情で立ち上がった。 「少尉専用局地戦モビルスーツ！！」 少佐のスマートグラスが一瞬赤く点滅し、**「最大規模カオス汚染危機」**を示す警告が鳴る。 ブロント少尉チラリとスマホを見せながら。 「動物のプラモデルとかもあったな。色もついて、糊もハサミも要らないとか。」 「へ～、やってみようかな。」 相づちをうつ若菜少尉だが。 「ハザード！！ 論理的なリソース（時間）の浪費と、情緒的なカオス汚染の拡大！」 御宅参謀は、少佐の警告も聞かず「三倍…！」と呟いいた。 翌日朝 翌朝、リゼット少佐が静かに分室に入ると、中央の会議テーブルの上に、昨日までの資料の山に代わって一体の模型が鎮座していた。 「少佐、ご覧ください！ ペンギンをモチーフとした、轟少尉専用局地戦モビルスーツ、通称**『ペンダム』！徹夜で市販ガンプラを加工**しました！もちろん、少尉そっくりのパイロットフィギュア付きですw」 「わっ、かわいいロボットですね。少尉が乗ったら、かわいさ三倍なんですか？」 「うおおっ！こるは、ガルガージョンよりもパンダムよりも、もっと非論理的に強い気がするであります！」 リゼット少佐のスマートグラスが激しく点滅するが、少佐は論理的な規律で表情を固定したまま、一瞬だけパイロットフィギュアに視線を向けた。 (カオスが三倍です……)