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まさかりシスターのドラゴン退治
とある地方の民話に曰く… その昔、百年に一度眠りから目覚め近隣を荒らしまわる邪竜がおったそうな。 邪竜は大地を焼き、血肉を食い荒らし、その地に住まう者どもを困らせていた。 そんな折、廃教会に住み着いていた奇妙な修道女が民共の前に現れ、こう言った。 「私があのドラゴンを鎮めて見せましょう」と、 「まさか自ら生贄に志願して邪竜を鎮めようなどと…」 訝る民共を背に、修道女は巨大な「まさかり」を片手に邪竜の住まう火山に歩みを進めていったという。 修道女が火山に向かってほどなく、火山から凄まじい咆哮と爆炎が立ち上るのが遠くの村々からも見えたのだそうな。 やがて、ひと際激しい咆哮の後、その地を覆っていた邪竜の気配はぴたりと治まり、それ以降邪竜の被害が出ることは無かったという。 いつの間にか廃教会に戻っていた修道女に何があったか問うた者もいた。 「私は皆さまの静かな暮らしを取り戻しただけですわ」、そう言うと修道女は静かにほほ笑んだという。 これが「まさかりシスターのドラゴン退治」の逸話である。 古い時代の民話であるため事実であったかどうかは定かではない。 修道女が住んでいたという廃教会には今でも残っていて、不思議な修道女が旅の者にささやかなもてなしを施すことがある、という噂は今でもこの地方で散見されているという。 ・ ・ ・ ・ 👿「予の秘密基地のご近所を荒らしまわるとはいい度胸なのじゃ!」 👿「このまさかりでそっ首撥ねてくれようではないか!」 妹→シスターということで…
