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お題「フクロウ」
夜の帳が辺りを黒く染め上げた頃、私は今日も彼を招いた。彼は私の招きにも不快感を見せず、悠然と椅子に腰を下ろした。 「ホゥ?また貴君か。実に学びを渇望する眼だ──よろしい、今宵もその飢えに応えてやろう。」 彼は肩をすくめ、どこか楽しげな笑みを浮かべる。 「──同じ調べを繰り返しては退屈であろう。では、今宵は趣向を変えるとしよう。」 彼の瞳が凛と輝く。 「貴君は──宝石という“時の結晶”に、興味はあるか?」 その語り口は穏やかで、自然と耳を傾けてしまう。 私は身を乗り出し、次の言葉を待った。
