石橋のアーチが沈黙する冬の間奏/スマホ壁紙アーカイブ
【石橋のアーチが沈黙する冬の間奏】 谷に冬の光が差し込むと、 石橋のアーチは、秋のように目を覚ますことはなかった。 ただ、そこに変わらず在り続けていた。 川は凍らずに流れている。 けれど、紅葉を映していたころのような賑やかさはない。 水面は静かで、音は谷の奥に沈んでいる。 秋には、高いアーチから低いアーチへと音が渡り、 谷全体がひとつの曲のように響いていた。 冬の橋は、もう演奏しない。 その代わり、流れる水と、降り積もる雪と、 立ち止まった人の気配を、黙って受け止めている。 これは終わりの静けさではない。 次の季節まで、音を休ませるための間奏だ。 橋の下を流れる水だけが、それを忘れないように、 静かに、同じ速さで進んでいる。 ■この風景の、秋の物語はこちらから👇 https://www.aipictors.com/posts/681957
