幻灯のカウンター
夜の帳(とばり)が降りてくバーの窓辺に 君は独り、グラスを抱きしめる 赤いカクテル 揺れる灯り まるで君の心みたいだね グラスの向こう ぼやけた街のネオン 遠い思い出を映してる幻灯(げんとう) 氷の音が鳴り響くたび 胸の奥が軋(きし)む気がした ねぇ、何を待ってるの? 誰を待ってるの? 君の瞳は深い夜の海 このまま溶けてしまいたいのだろうか 終電のないこの街で 君は今日も、見えない誰かの影を探す グラスの底に沈んだ、あの日の約束 幻灯のカウンター 溶けてく氷と 君の凍える指先が 今も、静かに揺れている
