考えごとはポケットに入れて/スマホ壁紙アーカイブ
【考えごとはポケットに入れて】 川は驚くほど静かだった。 まるで何か大事な約束を守っているみたいに、 余計な音を立てずに流れていた。 僕はリュックを背負ったまま、 川岸にしゃがみ込んだ。 理由は特にない。 少なくとも、説明できるような理由は。 そういう行動は、人生にはよくある。 足元にあった石を一つ拾い上げる。 少し重くて、少し冷たい。 ちょうど今の自分の考えごとと、 同じくらいの重さだと思った。 僕はその石に、 頭の中でぐるぐる回っていたいくつかのことを預けた。 期限のない不安や、もう会わない人の声や、 どこで間違えたのか分からない選択の数々。 それから石をポケットに入れた。 不思議なことに、世界は何も変わらなかった。 森は森のままで、川は川のままだった。 でも僕は知っていた。 少なくとも今この瞬間、考えごとは僕の外側にある。 それだけで、歩き出す理由としては十分だった。
