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蒼穹のフロンティア【静寂の湯にほどける想い】
激戦続きの任務から解放された夜、 イザベルとリリアは艦内スパの小さな浴場で静かな休息を取っていた。 いつも明るく振る舞うイザベルも、 湯に浸かるとふっと肩の力が抜け、 少しだけ子どものような表情を見せる。 仲間の前では決して見せない、素の彼女。 そして、隣の浴槽では、 リリアが腕を抱えながら湯気の向こうで静かに微笑んでいた。 緊張しやすく、戦場でも無理をしがちな彼女だが、 この穏やかな時間だけは自分を許せる。 外は無音の宇宙。 艦内にも、湯の静かな揺らぎと呼吸音しかない。 戦場で張り詰めた心が、 この温もりの中で少しずつほどけていく。 言葉にしなくても分かる。 ――「明日も、きっと大丈夫。」 二人にとってこれは、 ただ疲れを癒すだけではない、 “戦い続けるための大切な儀式”だった。
