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ミリシラ様の異世界百景その4「カジューの花園」
地球の皆の者、こんクエスト~!!全知全能の大賢者「ミリシラ・シッタカブール」様じゃぞ~!今日もお主らにワシの世界の名所を紹介するのじゃ! 今日は「カジューの花園」に来ておる。不思議な花がたくさん生えておる場所で、研究者からの人気も高い場所じゃ。「カジュー」という名がついた理由は諸説あってな、一つずつ見ていくかのう。 まずは一面に咲いとるこの花たちじゃな。これ、ちょん切ってやるとジュースがじょろじょろ出てくるんじゃ。味はいろいろあるが、基本的には甘くておいしいものばっかりじゃな。花の汁で「花汁(かじゅう)」と称されておって、この花専門の研究をしておる賢者もいるくらいじゃ。 次に、この鋼の鞘に覆われた果実じゃ。これはちょっとばかり花園に似つかわしくない外見に見えるじゃろ。でも、鞘の一部が外れるようになっておって、そこを外すと中に詰まったたっぷりの蜜を堪能できるんじゃ。んぐっ、んぐっ、ぷは~、たまらんのぅ!果実の汁だから「果汁(かじゅう)」という、普通のフルーツとかと同じ呼ばれ方をしておる。携行性に優れておるから冒険者たちにも人気なんじゃが、この果汁はもう一つ特徴があってのぅ。 なんと、中の蜜は口の中でしゅわしゅわするんじゃ。しかも、飲むとちょっと頭がぽーっとして気持ち良くなってしまうんじゃよ。酒みたいな特徴じゃろ。でも研究したところ酒とは全然成分が違うらしい。不思議じゃのう。まあ、うんまいから良しとするか。 で、最後の「カジュー」じゃけど・・・おらんなぁ。いや何、魔物の一種で「花獣(かじゅう)」って奴なんじゃ。花畑に擬態して、近づく獲物をその蔓で捕まえるずる賢い奴じゃよ。まあ、賢さでこのミリシラ様にかなうものなどってちょおおおおい!?つ、捕まってしもうた!「果汁」ですっかり気持ち良くなって油断しとったわい! ぐぬぬ・・・ほ、ほどけん!し、しかもさっき飲んだ「果汁」のせいで締め付けられる感触が何か気持ち良く感じてしまうぅ・・・って、きゃああああ~~~!?やっ、ワシのスカート返してぇ~~~!地球の皆にぱんつ見られてしまうぅ~~~!だ、だめじゃだめじゃ!今日はもうおしまいにするぞ!見てくれてありがとうなのじゃ、おつカブール~!! こらぁ、いい加減放せぇ!んぅっ!?ふ、服の中に入ってくるなぁ!どこ触って・・・ひゃああ!?ぱ、ぱんつ返してなのじゃ~~~!!
