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【ゲーム】うちの子でデスゲーム
●導入 宇宙空間のコロニー。その広間に、十名の男女が集まっていた。 ナギ:ここはどこだろう? ヒマリ:窓の外を見るに、宇宙空間みたいですね。 ロジカル:ていうか、オレら喋り方なんか違和感ねェか?チャットみたいな感じがするぜ。 キレーヌ:え?そう? ミリシラ:突然こんなところに飛ばされて、言葉も普段のように出ないとは、何かあるのう。 ミズキ:とりあえず、出口か帰り道を探しませんか? ドミサイル:そうだな、転移魔法が使えんようだ。 シリア:その前に、安全確保が先じゃない?危険人物が混じってるし。 ホン:俺のことか。 マキナ:それ以外誰がいる・・・と言いたいが、意外と危険な奴が多いねェ。 口々に喋る十名。その時、広間のモニターに仮面の男が映った。 ホスト:お静かに。君たちを呼んだのは私だ。とあるゲームに参加してもらうためにね。 ナギ:ゲーム? ホスト:その通り。いわゆる人狼ゲームに類するものだ。そして敗北は死を意味する。 マキナ:フゥン、デスゲームかい。まあ慣れてるから構わんがねェ。 ロジカル:デスゲームに慣れてるとかどんな人種だよ。 ホスト:ルールは簡単、君たち十人の中に殺人鬼が二人いる。 ホン:俺とこいつ(シリア)だな。 シリア:いや、リアルに殺人鬼って事じゃなくてゲーム内の役柄で、でしょ。 ヒマリ:その言い方だとリアルじゃ殺人鬼だって事になるじゃないですか。 ナギ:・・・うん、まあ。 ミリシラ:えっ、本当に殺人鬼なんかお主ら。 キレーヌ:悪い奴なの?やっつけた方が良い? ドミサイル:待て待て、この際本当に人殺しかどうかはどうでも良いだろう。ルール説明を聞こう。 ミズキ:どうでも良くは無いですよ!? うるさくなってきた一堂に、ホストは机を叩く事で牽制した。 ホスト:二人の殺人鬼役はこれから決まる。その二人は、残りの八人・・・善人と呼ぼうか。これが二人以下になるようキルする事が勝利条件だ。 キレーヌ:はい質問、善人は疑わしい人を倒したらダメなの? ホスト:ダメだ。ただし、全員に『追放会議』を開く権利がある。 マキナ:まあつまり、疑わしい奴はそこでやり玉に挙げて宇宙に放り出せという事さ。 ミズキ:それだと、善人同士で足を引っ張り合う事もありそうですね。 ロジカル:人狼ゲームってそういうもんだからな。で、善人サイドの勝利条件は? ホスト:追放会議で殺人鬼を全員放り出すか、コロニーが母星へ帰るための『タスク』を全て終わらせるかだ。 ヒマリ:殺される前にタスクを全部完了かぁ・・・多分、普通にやったら難しいんですね。 ドミサイル:当然、タスクに集中している間は無防備だからな。背後から狙われるだろう。 ミリシラ:そうならんためにも、殺人鬼を特定したら速攻で追放せねばな。 ホスト:ちなみに、殺人鬼に選ばれると他の誰が殺人鬼なのかも分かる。だから殺人鬼同士で殺し合う事は無い。 ナギ:うーん、かなり善人側が不利そうだなぁ。見たら一発で殺人鬼って分かるのが殺害の瞬間だけなんて。 ホスト:あとは、殺人鬼だけが通れる通風孔がある。ここに出入りするのを目撃すれば確定で分かる。 ホン:ルールは把握した。だが、報酬は何だ。生還できるだけか? ホスト:巨額の富を用意した。現代日本で言うと合計二十億円分。終了時の生存者で山分けだ。 シリア:殺人鬼サイドは最低二人、善人サイドでも最低二人ね。てことはどう転んでも最大十億円か。 ミリシラ:それゴールドだといくらなんじゃ? ヒマリ:だいたい一千万Gになりますね。 キレーヌ:うわぁ、大金だね! ドミサイル:あの三人、異世界人か。 ロジカル:テメェも異世界産サイボーグだろうが。 ホスト:それと、各人には特殊技能がある。有効に活用し、生還を目指してくれたまえ。 シリア:私だと『悪人が何となく分かる』能力とかね。 マキナ:ふん、面白いじゃないか。情報戦なら得意分野だ。 ホン:殺しなら出来るが・・・善人にされる可能性もあるのか。難しいな。 ミズキ:頑張りましょうね、凪さん! ナギ:・・・っていうかさ、この状況何!?誰も突っ込まないから言うけど! ホスト:では、ゲームを開始する。 ナギ:聞いて!? ●プレイヤーの能力 ・ナギの特殊能力「スクリーンショット」 36回まで撮影ができる。殺人鬼の正体を示す証拠や、アリバイ証明に活用できる。 ・ミズキの特殊能力「怪力」 鍵のかかった扉でも力づくで開閉できる。動かすのに複数人必要な重量物を一人で動かせる。 ・シリアの特殊能力「悪人感知」(善人時のみ) 会議が開かれる毎に、誰が殺人鬼なのかが分かる。ただし正確性はキルされた合計人数が少ないほど下がる。 ・シリアの特殊能力「大鎌」(殺人鬼時のみ) 自身の周囲一定範囲内の善人全てをキルできる。ただし長時間のクールタイムがあり、ゲーム開始直後は発動不可。 ・マキナの特殊能力「情報精査」 他人の発言に対して発動する事で嘘か本当か分かる。ただしクールタイムがあり、連続使用は不可。 ・ホンの特殊能力「不死身」(善人時のみ) キルされても一定時間後に復活する。復活待ちの間はキルされている判定になり、人数に数えられない。 ・ホンの特殊能力「爆弾」(殺人鬼時のみ) 遠隔操作可能な爆弾を仕掛け、離れたところからでもキルできる。キルされた本人以外に死因は分からないようになる。 ・ミリシラの特殊能力「全知全能の魔法」 善人時は一度だけキルを防ぐバリア、殺人鬼時は遠距離からのキルが可能。クールタイムがあり、またバリア効果の発動はキルしようとした殺人鬼にしか分からない。 ・ヒマリの特殊能力「幻覚魔法」 善人時は自分の分身(動かない)を作れる。分身がある間、本体は善人からのみ見えなくなる。殺人鬼時は他の人間に化ける、または透明化する事が出来る。 ・キレーヌの特殊能力「旋風剣」(善人時のみ) 通風孔に対して使用し、その中に殺人鬼がいた場合は強制的に排出できる。クールタイムがあり、連続使用は不可。 ・キレーヌの特殊能力「大切断」(殺人鬼時のみ) 壁に対して使用し、一定時間以内に解決しないと善人が全滅するタスクを生み出す。他プレイヤーにはランダムイベントの一種「隕石の衝突による壁破損」とアナウンスされる。 ・ロジカルの特殊能力「GPS追跡」 出会った他プレイヤーの位置をマップ画面で一定時間追跡できる。 ・ドミサイルの特殊能力「スカウター」 数秒間、全てのプレイヤーの現在地とバイタル(生死)を確認できる。一度使うとタスク完了まで再使用不可。 ※うちの子たちがもしデスゲームに巻き込まれたらどんな感じなのか?というあたりから導入部を作ってみました。イメージしやすいよう、デスゲームの元ネタは実在のゲーム「Among Us」にしてます。 誰が殺人鬼役に選ばれるか次第でゲーム展開がえらい事になりそう・・・普段は見られない掛け合いなどもありそうなので、気が向いたりお題がはまりそうだったらデスゲーム内のシーンを書くかも知れません。
