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夏祭りを抜け出して1(ぶんどし)
2025年08月10日 09時00分
学園近くの夏祭りの日。 学園の生徒もボランティアという無賃労働に、地域貢献の大義名分より駆り出されていた。 俺の仕事も片付き始めていた時、ぶんどし+サラシ+白衣というとんちんかんな服を着ているサク先輩に服を引っ張られる。 付いて来いという合図らしい。細い裏路地にサク先輩が入る。彼女の後姿を見失わないように急いで抜け出す。 先輩からの言葉は特になく、山奥へ向かう道をどんどんと進んでいく。 山頂に差し掛かった頃。 先輩「そこの階段に座りなよ。そろそろだ。」 ヒュー……ドーン 背後に火の花が咲く。 先輩「ここ、科学部で天体観測をするときに使ってる丘なんだ。なかなか綺麗に見れるだろ」 花火に照らされる彼女の身体はいつもよりも特別感があった。
