世界でいちばん静かな朝/スマホ壁紙アーカイブ
【世界でいちばん静かな朝】 目覚めたのは、鳥の声も届かないほど静かな湖の上。 少女は小さな椅子に腰を下ろし、目の前に広がる朝の光に心を委ねた。 時間はここだけ、流れるのをやめている。 水面には雲と山と、自分の姿だけが映っている。 それはまるで、世界に「今、この瞬間」しか存在しないことを示す鏡のようだった。 彼女は息を吸った。 ゆっくりと、まるで音を立てることさえ憚られるように。 静けさの中で初めて、自分の鼓動が風景と重なった。 「大丈夫」 そう言っているような朝だった。
