1 / 4
【ヨガポーズ】蛍さんとヨガ
「さぁ羽佐美さん、頑張って下さいね♪」 今日はジムトレーニングの日。今日は体幹トレーニングでヨガをさせてもらっているんだけど、意外と難しい。片足で立つとぐらぐらしちゃう。 「僕、バレエはそれなりに出来るからヨガもいけると思ってたんですけど、難しいですね」 「バレエももちろん体幹が重要ではありますが、ヨガと違ってあちらは踊りですから、静止しているタイミングが少ないでしょう?なのでそれっぽくバレエを踊れても、ヨガをきちんとできる筋力があるとは限らないのですわ」 そういう蛍さんは、ぴしっとポーズを決める事が出来る。やっぱり鍛え方が違う。 「やっぱりこれって、しっかりポーズを決めて止まれないと効果が無いんですか?」 「そのような事はありませんわ。筋トレと同じで、繰り返す内にだんだん出来るようになります。慣れない内は無理にお手本通りにするのではなく、出来るところまでで良いのです。変なクセはわたくしが直して差し上げますから、どうぞ気を楽にしてください」 その後も僕は色々なポーズにチャレンジしたけど、片足立ち系のが苦手みたい。バランスが上手く取れないままだった。そんな僕を見て、蛍さんが 「・・・羽佐美さんの場合は、どうも力みがあるようですね?自然体で立っていないから、体の余計な部位に力が入って固くなり、ちょっとの事でバランスを崩してしまうのでしょう。そして崩れたバランスを何とかしようとさらに力が入ってしまって、悪循環になっているようですわ」 と見立ててくれる。でも、どうすればいいんだろう? 「そうだ!羽佐美さん、ちょっとマットに仰向けになっていただけます?」 僕は言われるがままに、ヨガマットに寝転んだ。すると蛍さんは、僕の両足を持ち上げて開脚させ、いわゆるM字開脚の状態にしてしまう。 「ほ、蛍さん!?これはいったい・・・!?」 「少し羽佐美さんの足の筋肉をしっかり見せていただこうかと♪」 すり、すり、と蛍さんの手が僕の太ももの内側を優しく撫でる。ヨガのために柔軟性のあるスパッツを履いているから、僕の下半身のボディラインは丸わかりだ。 「ほ、蛍さんっ・・・!は、恥ずかしい、です・・・」 「あら、まるでいやらしい事をされているかのようにおっしゃるのね?わたくしはただ、羽佐美さんの筋肉を確かめているだけですのよ。羽佐美さんの『男の子』は見ないようにしておりますからね♪」 ほ、ほんとかなぁ・・・絶対視界には入ってると思うけど。そしてだんだん蛍さんの手が太ももの付け根に向かっているような。 「ひゃぅんっ」 「あら、艶っぽい声が出てしまいましたね?良いですよ、筋肉をほぐすのは気持ちの良い事ですから声が出てしまっても変ではありません」 足の付け根を親指でぐりっと押されて変な声が出ちゃった。何だか出しちゃいけない声を出してしまった気がして、顔が熱くなる。蛍さんはしばらく僕の太ももを揉んでいたけど、やがて手を離して満足げに頷いた。 「成程、よく分かりました。筋肉強度は十分ですが、股関節の柔軟性がもう少し欲しいところですわね。まぁ、男の子ですから多少関節が固いのは仕方ないのかしら」 「はぅ・・・」 やっと終わってくれた。まだ蛍さんの手の感触が残ってる。 「羽佐美さん、わたくしの脚を触って確かめてみてくださいます?羽佐美さんより柔らかいのが分かると思いますわ」 今度は蛍さんが、自分のヨガマットに寝転んでさっきの僕と同じポーズを取った。目の前にさらけ出された蛍さんの下半身に思わず心臓が跳ねちゃう。 「ほ、蛍さん!駄目です、そんな恥ずかしい格好したら!」 「でしたら、早く済ませましょう?羽佐美さんが触って下さらないと、わたくしはただ羽佐美さんが言うところの『恥ずかしい格好』をしただけの女になってしまいますわ。レディに恥をかかせるのは男らしいと言えなくてよ?」 蛍さん、やめてくれる気配がない・・・僕は仕方なく、蛍さんの太ももに手を置いた。 「あっ、柔らかい・・・もっと筋肉でカチカチなのかと思ってました」 「もちろん力を入れれば固くなりますが、今は脱力していますからね」 蛍さんの足を動かしてみると、確かに股関節が固い感じがしない。女の人だからなのかも知れないけど、やっぱりトレーニングの成果なんだろうなぁ。 「僕も鍛えれば、これくらい関節が柔らかくなりますか?」 「ええ、もちろん。ふふ、それでは今度からジムに来る度にわたくしが羽佐美さんの股関節を柔らかくするのをお手伝いしましょうか♪」 それって、毎回あんなマッサージみたいなのをされるのかな・・・声を我慢する練習しておかないとかも。
