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【コルセット】てるコル坊主
晴天を願って紙製または布製の人形を吊るす風習「てるてる坊主」。これはより強い願いを込めるために、それにコルセットを装着したものだ。 通常のてるてる坊主は『雨降りなら首を切る、晴れたら金の鈴を供える』と童謡の歌詞にも歌われているが、それらは手間だろう。首を切ったら再祈願のために別の人形が必要だし、金の鈴が手元にない事もある。 そこでこの「てるコル坊主」だ。吊るした翌日が雨だったら、コルセットを少しだけ締め上げる。雨の日が続く限り締め付けを強くしていくのだ。「早く晴れにしないと苦しみが強くなるぞ」という具合に。 そして晴れたらコルセットを緩めて解放してあげる。ほら、簡単でしょう?人形を用意し直したり、金の鈴をストックしておく必要がないのだから。 ちなみに顔を描くときは、笑顔や無表情にしておくと締め上げられてる時に怖いので、最初から苦しそうな表情で作るのがポイント。締め上げられたてるてる坊主の苦悶の声が天に届きそうな顔にしましょう。 間違ってもやってはいけないのは、「晴れたのにコルセットを解放しない」事。曇り空に向けられていたてるてる坊主の念が、今度は作った人間に向かうようになってしまうから。これを『曇天返し』という。 曇天返しになってしまったら、人形に呪われている状態と同じ事なので、早めに神社やお寺でお祓いを受ける必要がある。時間とお金が無駄になるから、ちゃんとコルセットは解放しよう。
