ボトルの中を走る小さな鉄道 / スマホ壁紙アーカイブ
【ボトルの中を走る小さな鉄道】 作業机の上に置かれた一本のガラス瓶。 その中では、誰にも気づかれないまま、 小さな列車が今日も灯りをともして走っている。 昼は淡い陽光を受けて静かに景色を巡り、 夜になると、瓶の外の工具の影が大きく伸びるたび、 列車はまるで世界が揺れ動いているかのように感じながら進む。 外の世界は広くて騒がしい。 けれど、この瓶の中だけは、風も雨も迷い込まない。 線路は一周して、始まりと終わりが優しく溶け合っている。 列車は知っている。 自分は外へ出られないことを。 けれど、それを悲しいとは思わない。 小さな世界でも、光をともして走れば、 そこには確かに旅が生まれるのだと。 そして今日もまた、瓶の底に響くかすかな音とともに、 小さな鉄道は、静かな冒険を続けていく。
