thumbnailthumbnail-0thumbnail-1thumbnail-2thumbnail-3

1 / 4

【アイスティー】コマメちゃんの青いお茶

「さあパパ、年貢の納め時です。大人しくこれを飲んで下さい」 青色の液体が入ったカップを片手に、コマメちゃんが私に迫ります。私の脳裏には、今日ここに来てからの走馬灯がフラッシュバックし始めました。 この間聞く事が出来なかった江楠志愛さんの足取り調査結果を聞くために、私はまた金剛院邸にやって来ています。今日はそれなりにお客さんの姿が見えるので、もしかすると晶さんは忙しいのかも。コマメちゃんがいれば状況を聞けるかなと思いながら、コマメちゃんを探すとほどなく見つかりました。 「コマメちゃん、こんにちは」 「パパ、こんにちは。今日はお嬢様にご用事ですか?」 「うん、そうなんだけど忙しいかな」 「いいえ、そこまでではありません。本日は私服でいらっしゃるお客様も多い比較的カジュアルなパーティーですので、中に入ってお話しする事もできるでしょう」 おお、それは良かった。しかし、できれば目立つのは避けたいところです。パーティーで行方不明の人の話題とかあまり出したくないですし、いくら私服の人が多かろうが私が場違いな雰囲気なのは誤魔化しようもありませんから。 「ピピー。ひとまずゆっくりして、お嬢様の様子を伺いましょう。今日は暑いので、水分補給にこちらのお茶をどうぞ」 そう言ってコマメちゃんが差し出したのは、クリアブルーの液体。一見ブルーハワイソーダみたいにも見えますが、今お茶って言ったなぁ。 「あー、今は喉乾いてないかな」 ちょっと飲む気がしなかったので、私は視線を逸らしながらお断りしました。しかしコマメちゃんはじーっとこっちを見て目を細めました。 「パパ、嘘をついていますね。スキャンの結果、体内の水分量が平均時より減少しています」 バレた。しまった、そう言えばコマメちゃんは高性能なセンサーの塊だっけ。 「やはり水分補給が必要なようですね。遠慮は要りません、冷たくておいしいですよ」 ずずいと液体を差し出すコマメちゃん。私は無言のままコマメちゃんに背を向けて逃げ出しました。 「ああー、待ってくださいパパー」 後ろからモーターの駆動音が聞こえてきます。振り向くと、足を動かさないまま滑るようにコマメちゃんが追いかけて来ていました。コマメちゃんの動作ってあまり早くないから逃げられると思ったけど、まさかあれは足の裏にローラーでもついているのか。完全に計算外です。そして間もなく、私はコマメちゃんに追い詰められたというワケなのでした。 「わ、分かったよ飲むよ」 私はコマメちゃんからカップを受け取ると、恐る恐る口をつけます。すると。 「あれ?」 別に変な味ではありませんでした。これは紅茶・・・かな?ハーブみたいな香りがします。 「パパ、そのリアクションはもしかしてコマメがパパに怪しい液体を飲ませようとしていたとでも思っていましたか?」 「え゛っ、い、いやそんな事ないでござる」 「動揺が顔にも口調にも出ています。パパ、それは『バタフライピー』を用いたハーブティーです。そこまでマイナーな物ではありません。SNSなどで見た事はありませんか、レモン果汁などを垂らすと青から紫に変化するお茶を」 見た事ないです。玄葉なら知ってたのかな。 「あら、早渚さん。ようこそお越しくださいました」 私が青色のハーブティーを飲み終わる頃に、丁度晶さんが私を見つけてやってきました。 「ああ、晶さん。すみません、急にお邪魔して」 「いえ、早渚さんならいつでもいらしていただいてよろしくてよ。警備の者にも言い含めてありますもの。『もし夜中に早渚さんが来たとしても、見なかったふりをするように』と」 「冗談ですよね!?」 「ふふ、どうでしょう?」 冗談であってほしい。まあ晶さんの性格だと、多分冗談だと思うんだけど。そうじゃなかったら私が晶さんに夜這いをかけるような関係だと警備の人たちに思われてるって事になってしまう。 「それで、本日はどのようなご用件ですの?もしかして、志愛さんの事でしょうか」 「そうです、あれから何か分かりましたか?」 「いいえ、残念ながら。ただ、目撃情報はそれなりにありますわね。大抵バラバラですので、どこかに定住している様子はありませんが」 「そうですか・・・」 まあ、あの江楠さんが簡単に見つけられないんだもんな。難しいか。 「そのようなご用件なら、わざわざご足労いただかなくてもお電話などでよろしかったですのに」 「電話やメールじゃ晶さんに会えないじゃないですか」 見返りもなく人探し頼んでおいて電話で「結果はどう?」とか失礼だし。せめて会いに来るべきだろう。隣に住んでるんだし。私はそう思って発言したのですが、晶さんは何やらうろたえています。すかさずコマメちゃんが口を挟んできました。 「ピピー。さすがパパ、流れるように女性を口説きにかかりますね」 「えっ?」 「人探しの進捗確認を口実に会いに来るとは中々うまい手段ですね。進展が無ければたびたび会いに来れます。コマメは感心しました」 「・・・あ」 そうか、そう聞こえたか。それで晶さんは何だか頬を赤らめてもじもじしているのか。 「これはコマメがお邪魔虫と判断しました。ではパパ、お嬢様。ごゆっくりどうぞ」 コマメちゃんはすすっと離れて行ってしまいました。後に残されたのは私と晶さん。き、気まずい。 「あ、あー、早渚さん申し訳ありません!わたくしお会いしなければならないお客様がいたのでした!今日のところはここで失礼させていただきますわ!」 「えっ、晶さん?」 私が何を言おうか考えていたら、晶さんの方から何やら並べ立てて去って行ってしまいました。何だろう、本当に会わなければならない人がいたのかな? 「ピピー。お嬢様のヘタレ」 少し遠くからコマメちゃんの声が聞こえた気がしましたが、とりあえず目的を達成した私は金剛院邸を後にする事にしました。

コメント (15)

thi

pHで色が変わるお茶、科学系の本に出てきそうです

2025年05月21日 14時59分

早渚 凪

見た目が分かりやすい現象は題材として人気ですからね、子供向けの科学雑誌に乗せると子供たちの好奇心を刺激するいい教材になります

2025年05月22日 15時25分

うろんうろん -uron uron-
2025年05月21日 13時55分

早渚 凪

2025年05月21日 14時28分

へねっと
2025年05月21日 13時04分

早渚 凪

2025年05月21日 14時28分

五月雨
2025年05月21日 12時46分

早渚 凪

2025年05月21日 14時28分

Kinnoya
2025年05月21日 11時36分

早渚 凪

2025年05月21日 14時28分

T.J.
2025年05月21日 09時03分

早渚 凪

2025年05月21日 14時28分

白雀(White sparrow)
2025年05月21日 03時31分

早渚 凪

2025年05月21日 14時28分

サントリナ
2025年05月21日 03時10分

早渚 凪

2025年05月21日 14時27分

129

フォロワー

2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 基本はオリジナルキャラで、まれに二次創作作品を投稿します。オリジナルキャラに関しては、エロ系・グロ系含み完全コラボフリーですので気軽に連れて行ってください。 年齢区分は全年齢~R-15を中心に投稿します。R-18作品もたまに投稿しますが、現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、規約違反を含むR-18作品(性器描写等)は投稿できません。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

おすすめ