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猫の散歩道  chapter2

2025年08月07日 15時01分
対象年齢:R15
スタイル:イラスト
デイリー入賞 154

夏の夜の空気は、昼間の厳しさが嘘のように柔らかく、どこか秘密めいている。 高嶺静香は、猫耳のついた黒いフードをそっとかぶり、鏡の前で軽く唇を噛んだ。 真っ黒なノースリーブのワンピース。細い肩と、すらりと伸びた腕が大胆に露わになる。 制服でも、いつものブラウスでもない――けれど、今夜は「委員長」である自分を少しだけ、忘れたい気分だった。 眼鏡も外している。これだけでもう、誰にも気づかれないような気がする。 彼女は静かに玄関を抜け出し、猫のように夜へと溶け込んだ。 繁華街の裏通り。ネオンの明滅が歩道を染め、夏の夜風に人のざわめきが混ざる。 けれど静香の足が向いたのは、賑わいの真裏――ひとけのない、細くて入り組んだ路地だった。 そこには、いた。 黒、白、三毛、灰――夜の住人たち、猫たちがまるで秘密の会議のようにひっそりと集まっている。 静香は距離をとってしゃがみこみ、小さく息をのむ。 「……まるで、別の世界」 猫たちは、誰にも気づかれず、自由に、そして堂々とこの夜を生きている。 時折現れる酔っ払い、恋人同士、派手な衣装の若者―― 猫たちはその全てを、静かに、でも好奇心たっぷりに見つめていた。 静香は、思った。 自分が見ていた「世の中」は、学校と家と、規律の中のことだけだったのではないか、と。 猫たちが音もなく移動を始める。彼女は反射的にその後を追った。 このまま、どこへでも――ふと、そんな気がした。 路地は、さらに狭くなり、細い階段を抜け、小さな橋を渡り…… いつの間にか、静香は見たこともない道にいた。 けれど、突き当たりを抜けたとき――その先に見覚えのある門が現れた。 「……ここ、わたしの家……?」 まるで夢から帰ってきたような感覚に、静香は猫耳フードを外し、肩の力を抜いた。 「知らなかった……こんな近くに、あんなに面白い夜の世界があるなんて」 胸がふわりと軽くなる。 何もかも忘れて、猫たちと歩いた道。誰にも言えない、けれど確かに心を満たす「非日常」。 静香は扉の前で立ち止まり、夜空を見上げた。 遠くで、猫の鳴き声がする。きっと、また会える。そう思うだけで、不思議と笑みがこぼれた。 「今夜のことは……わたしたちだけの、秘密です」 その声に、誰も答えはしない。 けれど、夜風がまるで頷くように、優しく彼女の髪を揺らした。

コメント (5)

がったん

返信の仕様が変わったみたいで、同スレッドでは最新のみが反映されるみたいです。 スタンプしか表示されてませんでした。 返信を『送信』押す前に、横のスタンプ押してスタンプ選ぶと、返信文と共にスタンプが送られるので…それで…

2025年08月10日 14時03分
五月雨
2025年08月08日 13時44分

ピッカ

2025年08月09日 14時00分

white-azalea
2025年08月08日 13時42分

ピッカ

2025年08月09日 13時59分

もみ
2025年08月07日 21時15分

ピッカ

2025年08月08日 13時26分

タカ
2025年08月07日 19時41分

ピッカ

2025年08月08日 13時25分

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