1 / 2
【キャンディ】飴と鞭
ヤヴァイン(以下ヤ) 「戻ったか、貴様ら。昨夜のハロウィンフェスタ襲撃、首尾は上々であったようだな」 バラバラヴァー(以下バ) 「ははっ!ヤヴァイン様のお心遣いにより、新たな実験動物も調達できました」 ニックジール(以下ニ) 「おいらも柔らかいちびっ子をバクバク食べられて満足なんだな。ヤヴァイン様、万歳なんだな~!」 ドミサイル(以下ド) 「献上いたしました人間共の魂も、ご満足いただけましたでしょうか」 ヤ「うむ。これで余の魔力もわずかばかりだが増すであろう。貴様らには褒賞としてこの飴をくれてやろう。貴様らが狩って来た人間の魂を加工したものだ。食せば魔力の底上げになろう。ほれ、人間共はハロウィンフェスタで菓子を配っておっただろう、それを真似てみた。・・・菓子を下賜、などと下らぬ事を考えた者は鞭打ちに処すぞ」 ニ「カシヲカシ・・・?よく分からないけどうまそうなんだな~!いただきます、なんだな!」 ド「恐悦至極にございます。・・・ときに、我が君ヤヴァイン様。そのお召し物は一体?」 ヤ「これか。夏の頃、戯れにこの島国を見て回っていた時だ。ピラミッドを逆さにしたものを四つほど並べた奇妙な建造物を見つけてな。大勢の人間共が集っておった。そこには珍妙な格好をする人間も多くいたのだが、その者達が余に献上した衣装だ。ぜひこれを着て欲しいとせがまれ、写真撮影もされた」 バ「な、なんという無礼な人間共・・・!ヤヴァイン様、その町は滅ぼすべきでは。ヤヴァイン様の御威光を理解せぬ愚物共、私の怪獣たちが全て踏みにじって御覧に入れます」 ヤ「良い。無知なる人間の行いにいちいち目くじらを立てるなど、矮小なる器の持ち主がやる事ぞ。むしろ余の姿に魅了され、偶像を残したいと考える崇拝思考であろう。それくらい受け入れてやらねば、頂点に立つ者の度量ではあるまい」 ド「なるほど、我々が仮装をした事をきっかけにそのお召し物の存在を思い出し、こうして我らにお披露目下さったという事ですか。大変素晴らしい」 ニ「なんだか『闇の魔法使い』って感じがしてぴったりなんだな~!それに、鞭もよく似合うんだな。きっとヤヴァイン様のお身体がムチムチだからなんだな~!」 バ&ド「あっ」 ヤ「・・・ほう、鞭とムチムチ、か。贅肉の塊である貴様に言われようとは。いや、そのような下らぬ言葉遊びを思いつく者に『贅』などとは過大評価か。堕肉がふさわしかろう」 ニ「あっ、やばいんだな。ご、ごめんなさいなんだな!」 ヤ「良い。余は寛大である。よって、貴様が目を付けたこの鞭を味あわせてやろう。何、遠慮は要らぬ。これも褒美として受け取るがよい」 ニ「ひぃぃ~!それならおいらだけじゃなくてバラバラヴァーとドミサイルにもあげてほしいんだな!」 ド「おい、俺達を巻き込むな!」 バ「あんただけ鞭打ちされてなさいよ!」 ヤ「ニックジール、疾くついて来い。余を待たせれば、その分の懲罰を上乗せするぞ」 ニ「なんでおいらがこんな目に遭うんだな~!」
