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【海賊】フ〇ック船長と水平な幼女
小さな島々が連なる海域を根城として活動する極悪非道の海賊団がいた。主に狙うのは航海中の船であったり、小さな島々にある集落である。構成員は全て男性であり、海賊行為を行う際は金や食料だけでなく、ナイスバディの女性もさらっていく連中で、もちろん女性をさらうのは『お楽しみ』のためだ。さんざん欲望のはけ口にした後はその女性を海に放り捨ててしまう事からも彼らの悪辣さがよく分かる。 この事から船長は通称『フ〇ック船長』と呼ばれ、国際的に指名手配をされており敵が多い。各国の船団には警戒され、見つかると攻撃を受けるほか賞金稼ぎとして活動する冒険者にも狙われている。ただしこの海賊団は熟練のならず者たちであり、砲撃戦はお手の物、さらに剣や短銃を使う通常の団員以外にも魔法使いまでいる。よってそもそも海賊船に接近できないケースもあり、航海中の彼らの船に乗り込むのは余程の手練れで無いと不可能とまで言われている。海賊行為のために停泊している際は比較的チャンスと言えるが、それでも荒くれの海賊が多数常駐する海賊船を短時間で制圧するのはかなりの武力が必要だ。 そうしてなかなか鎮圧されないまま好き放題に海賊行為をして生きていた彼らだったが、ある時から少し様子がおかしくなった。海賊行為の頻度が減り、女性をさらう事もなくなっていったのだ。ターニングポイントとなったのは、いつの間にか船に紛れ込んでいた幼い少女が発見されてからだろう。 ある夜、船の見張りをしていた団員が倉庫でボロボロのセーラー服を着た彼女を発見し、船長の前に引っ立てたのである。だがそこからが面倒な事態になった。強面の船長や団員がいくら脅しつけても彼女は全く怯えず、それどころか怒っている団員をなだめるかのように頭を撫でようとしたり抱きしめてこようとする。どこから来たのか聞いても記憶が無いらしく全く話が要領を得ない。今まで数多の女性をレイプしてきた彼らだったが、流石に小指一本も入らなさそうな幼さの彼女を犯そうという気持ちは湧いてこなかったようで、しまいには業を煮やして船から海へ投げ込んだ。 だがいくら船から捨てても、いつの間にか再び船の中に彼女がいる。海に投げ込んだ回数が10回を超えたあたりでついに彼らは少女を捨てるのを諦め、船で面倒を見ることにした。フラットちゃんと名付けられた少女は掃除や洗濯を手伝うようになり、いつしか海賊団のマスコットのようになり団員から可愛がられるようになった。一度だけ、フラットちゃんの体を入浴代わりに拭き清めていた団員の一人がロリに目覚め、変な気を起こしかけたのだが『女はまず船長に回す』という暗黙のルールにより船長および他の団員にボコボコにされて未遂に終わっている。 この一件の後、船長は「フラットが大人の女になるまでは手出し禁止だ」と明確に言い渡した事で、フラットちゃんの貞操は少なくとも大人の姿になるまでは守られる事になった。彼らはフラットちゃんが『バルジちゃん』に成長するのを待ちながら、海賊行為を続けていく事にしたのだ。だが、先にも述べたように彼らの海賊行為は明らかに縮小していた。日を追うごとに姿を見せなくなっていく海賊船、極上の女体を前にしても覇気の無い態度でさらおうともしない団員達、無邪気にカモメOnHeadして遊ぶフラットちゃんを見守るばかりで邪悪な笑顔を浮かべなくなったフ〇ック船長・・・。 実はこれはフラットちゃんの影響だった。フラットちゃんの正体は男性の精気を吸い取る魔物『水平な水兵』であり、彼ら海賊団からエネルギーをじりじりと奪っていたのである。魔物に対する知識が浅いがゆえに気付けなかった彼らは、知らない内に性欲も活力も失っていたのだ。 今、彼らの海賊船を見かける事は無い。恐らくは、どこかの無人島にでも停泊したまま再出港する気力もなく力尽きたのだろう。きっと船内にはさんざん『水平な水兵』に甘やかされて幸せな笑みを浮かべたまま干からびた海賊たちの死体が転がっているのだと考えられる。溺死した海賊たちの無念から生まれた魔物が別の海賊たちを滅ぼすとは、何という皮肉だろうか。魔物のおかげで海に平和が戻った稀有な事件として、この件は島々の間で語られるだろう。 ※作中に登場した『水平な水兵』の詳細は以下の投稿から。 学生のレポート「水平な水兵」 https://www.aipictors.com/posts/616221
