ノスタルジック秋の風景[1]/スマホ壁紙アーカイブ
【落ち葉舞う扉の向こうに】 石畳に落ちた一枚の葉を追いかけて、 彼女は小さな古書店の扉を押した。 中は暖かく、紙の香りが静かに迎えてくれる。 背の高い本棚に囲まれた店内は、 まるで時間が眠っているかのようだった。 棚の隙間から見えたのは、 花瓶に生けられた赤いバラと、小さな木の椅子。 そこに座ると、偶然手に取った本の中から、 昔の誰かが挟んだ栞がひらりと落ちた。 “読んでくれて、ありがとう” 知らない誰かの声が、静かに胸の奥に届く。 窓の外では、風に舞う葉がひとつ、 またひとつと舞い落ちていく。 物語は、まだ続いていた。
