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星降る夜のロジスティクス
焚火の炎がパチパチと音を立て、夜の森に温かい光を落とす。 ブランケットにくるまったブロント少尉は、スープマグから立ち上るハーブティーの湯気に目を細めていた。 その瞳は既に半分閉じかけ、金髪のポニーテールがブランケットの肩から覗いている。 隣には紫のテディベアが座る。 なぜかクマもブロント少尉と同じように、とろんとした表情で炎を見つめている。 「ふふ、ブロント少尉、もう眠そうですね?」 若菜少尉はクスリと笑いながら、自分のスープマグをゆっくりと傾けた。茶髪のセミロングは編み込みが揺れ、火の光に照らされている。 「んぅ……わかニャ少尉ぃ……このハーブティー、ねんねの魔法がかかってるでほす……」 ブロント少尉は舌足らずな声で呟くと、こてりと若菜少尉の肩に頭を預けた。紫のテディベアもブロント少尉にもたれかかる。 「はい、きっとそうですね。でも、そろそろテントに入りましょうか。体が冷えてしまいます」 若菜少尉はそっとブロント少尉のマグカップを受け取ると、テディベアの頭を優しく撫でた。 テントの中は、ランタンの柔らかい光が満ちていた。ブロント少尉と若菜少尉は、それぞれの寝袋に入り、間に紫のテディベアを挟んで横になる。 ブロント少尉は既に夢の中へ旅立ち、テディベアをしっかりと抱きしめている。 その表情は穏やかで、まるで満たされた子供のようだ。 若菜少尉は、静かにブロント少尉の寝顔を見つめた。 今日一日のカオスが嘘のように、このテントの中だけは穏やかな秩序に包まれている。 (こうして見守るのも、大切なロジスティクスかもしれませんね)
