1 / 2
聖剣、ハンマー、そしてメイド
薄暗い遺跡の奥、聖剣が突き立つ台座の前。幻想的なフロアランプが周囲を怪しく照らす中、レイちゃんは例のごとく、聖剣相手に奮闘していた。 「なんか、変な剣が、ぬっ、ぬけませんわ!ふぬぬぬぬ…!」 赤いジャージに青いマント姿のレイちゃんは、金髪のツインドリルを揺らしながら、全身の力を込めて聖剣を引っ張る。しかし、剣はびくともしない。その様子を、冷静な面持ちで観察していたチェルキーが、突如として口を開いた。 「ふーん、くさびと同じ、頑丈に突き刺してあったらもう抜けないよ。思いっきり貫くしかないね」 「ち、ちょっと、そのハンマーどっから出したんですの!さっきまで斧だったでしょ!?」 チェルキーが肩に担いでいた得物は、いつの間にか、彼女の身長はあろうかという巨大な両手持ちウォーハンマーに代わっている。 銀色のプレートアーマーの上にメイドエプロンを身に着けた小柄な身体には不釣り合いなその得物に、レイちゃんは目を丸くする。 チェルキーは自信満々に胸を張った。 「美食神の加護だよ!!引いてダメなら、押せばいいのさ。これぞドワーフの最終兵器、応用力学の粋だね!」 背後で、アーゼリンが静かに頷いた。 「ふふ、チェルキーは直感で正しい方法を選ぶ…」 「ちょ、ちょっと待ってくださいですわ!この怪しい床に並んだランプがカギなんじゃありませんの!?なにか順番とか、儀式とか…」 レイちゃんの言葉を遮るように、チェルキーはウォーハンマーを天高く振りかぶった。その瞬間、ランプの光が怪しく瞬く。 「いくよ、レイちゃん!せーのっ!」 「どごっっ!!」 遺跡に響き渡る鈍い打撃音。 聖剣の柄頭に、ウォーハンマーが容赦なく叩きつけられた。
