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閃光のミラージュ 超番外編【荒野の死闘!?】
夕焼けに染まる荒野。 風に巻き上げられた砂塵の向こうで、それは現れた。 鏡餅―― しかし、正月の縁起物とは似ても似つかぬ姿。 縄飾りにみかんを戴き、口を裂いて咆哮する異形の化け物。 その目は不気味な光を放ち、地面を揺らしながら紫苑へと迫る。 紫苑は一歩も退かない。 短く息を吐き、黒いメイスを地面から引き上げる。 軽口も、冗談もない。 そこにあるのは、ただ闘志。 「……縁起物が相手でも、容赦はしない」 化け物が牙を剥いた瞬間、紫苑は踏み込んだ。 乾いた大地を蹴り、全身の力をメイスに乗せる。 鈍く重い一撃が空を裂き、砂と衝撃波が荒野に舞い上がる。 激突。 咆哮。 再び迫る影。 それでも紫苑の瞳は揺るがない。 恐怖ではなく、計算と覚悟だけがそこにある。 敵がどれほど異形であろうと、倒すべき“脅威”であることに変わりはない。 砂嵐の中、彼女は低く構え直した。 メイスの先が、夕陽を反射して鈍く光る。 ――勝つか、喰われるか。 荒野に突如生まれた、この奇妙で苛烈な死闘。 果たして紫苑は、鏡餅の化け物を打ち砕くことができるのか。 答えは、次の一撃に託された。
