1 / 3
閃光のミラージュ 番外編 【お正月、鏡餅と微笑み】
静かな和室に、凛とした新年の空気が満ちていた。 床の間には門松と花、そして背筋の伸びるような掛け軸。 その前に、劉妃は青の晴れ着姿で正座し、そっと鏡餅を見つめる。 白く重なった餅の上には、みずみずしい橙。 一年の始まりを祝う小さな世界が、そこにある。 劉妃は両手を膝に揃え、柔らかな微笑みで新年の想いを胸に刻んだ。 やがて空気が和らぐと、彼女は鏡餅を手に取り、くるりとこちらを向く。 片目を閉じて、指先で小さなピース。 凛とした佇まいの奥から、年相応の無邪気さが顔を出す。 「今年も、いい一年になりますように」 その一言に、願いと期待が重なる。 かわいい決めポーズに込められたのは、戦いや陰謀から少し離れた、 穏やかで優しい世界の劉妃。 鏡餅の白さのように、まっさらな一年が、いま始まった。
