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【マグネット】肩や腰に効くアレ
「パパ、花梨先輩が最近肩や腰に磁気絆創膏を貼っています」 金剛院邸を訪ねた時、コマメちゃんからそんな報告が。そっか、確かに花梨さんは胸も大きいし肉体労働だから腰も負担がかかるのかも知れない。私の脳裏には磁気絆創膏を貼った花梨さんの姿が容易にイメージできました。まだ若いのに可哀想に。 「でもコマメちゃん、どうしてそれを私に言うの?」 「ピピー、パパが撮影したいかと思いまして」 そう言ってドヤるコマメちゃん。いや、撮りたくないと言えば嘘になるけど、普通に考えて撮らせてくれるわけないじゃんね。瑞葵ちゃんなら100%撮らせてくれるだろうけど、花梨さんは無理でしょ。 「そこはこう、パパの脱がせテクで花梨先輩をあれよあれよという間に丸裸に」 「できません」 コマメちゃんのほっぺをむにー、と圧迫して否定します。私を何だと思っているのかコマメちゃんは。 「早渚さん、いらっしゃいませ。今日はコマメと何を話してるんですか?」 丁度そこに花梨さんが現れました。私は彼女に挨拶すると、今の話題を直接聞いてみる事に。 「いや実は・・・花梨さんが肩こりや腰の痛みにお悩みだとコマメちゃんから聞きまして」 「え?」 花梨さんはコマメちゃんに視線を向けます。コマメちゃんは花梨さんと目を合わせようとしません。あれ、これはもしかして。 「花梨さんが肩や腰に磁気絆創膏を貼っていると」 「貼ってませんよ!何でそんな話になってるんですか!というか早渚さんもそんなの信じないで下さい!」 「いやだって・・・ねぇ?」 私は花梨さんの豊満なバストに視線を落とします。今日も重たそうだ。 「早渚さんだから許しますけど、その視線普通にセクハラ扱いされてもおかしくないですからね?」 「あ、すみません。いや、胸だけじゃなくて普段から重い物を運んだりしてるから腰も負担かかってるかなとも思ってますよ?」 「鍛え方が違います。私、そこらの軍人より強いですよ?」 それは良く知っている。動きが素人じゃないんだよね花梨さん。となると、やっぱりコマメちゃんは私に嘘を教えたのか。 「コマメちゃん、何で嘘ついたの?」 「ピピー、パパ、パパ。コマメが嘘をついているとお思いですか。花梨先輩の言葉を鵜呑みにするのですか?」 む、そう言われれば確かに。花梨さんが照れ隠しをしてる可能性もあるのか。さて、これはどっちを信じるべきか。 「こら、コマメ!ロボットが人に嘘をついちゃダメでしょ!ねぇ早渚さん?」 「花梨先輩こそ、隠さなくてもよいではないですか。磁気絆創膏を貼るのは恥ずかしい事でもみっともない事でもありませんよ。そうですよね、パパ?」 しかも私に全責任が来た。う~ん、正直証拠が何もないのはどっちも同じ。となると、手っ取り早いのは花梨さんの背中を見せてもらう事だけど、それは流石に無理・・・いや待て。そうか、コマメちゃんはそういうつもりか。私がちらりとコマメちゃんを見ると、口元がにまっとしています。確信した。 「私はコマメちゃん側につきます。高性能メイドロボのコマメちゃんが名付け親の私に嘘を言うとは思えませんし」 「な!?」 「やーい、花梨先輩の負けー」 コマメちゃんが煽りを入れます。コマメちゃんはこうして花梨さんに疑いをかけて『潔白を証明するために服を脱ぐ』という展開を引き出そうとしているのです。思惑通り花梨さんは不満げな顔に。 「ちょっと、本当に貼ってませんから!嘘だと思うなら直接見て確かめてみますか?」 よし、来たぞ!だがここで焦っては 「ピピー、パパ、やりました!花梨先輩が脱いでくれるようです!カメラの準備は大丈夫ですか?」 「脱ぎませんよ!」 ああ、コマメちゃん。なんて事を。 「プー!花梨先輩、今『直接見て確かめてみますか』って言ったのに!」 「脱ぐとは言ってない!ちょっと襟の辺りをめくれば分かるでしょ!全くもう、どうしてそんな変な性格になったんだか。早渚さんもコマメに注意してやって下さい」 うむ、ここは後学のためにもちゃんと言わないと。 「そうだよコマメちゃん、今のは良くない。いいかい、あそこで即座に『相手が脱いでくれる!』って喜んじゃダメなの。相手にもよるけど、さっきの場合まずは『いやいや、そこまでしなくても結構ですよ。分かってますからw』って感じに断りつつ相手を小ばかにしたニュアンスを入れるべきなんだ」 「プ?」 「そうするとね、相手は『信じてませんね!?』ってなり、『ほらっ、貼ってないでしょ!』って自分から脱いでくれるの。言質を取っただけで満足しちゃダメ。大切なのは『相手が実際脱ぐかどうか』だから、自分から脱ぐように仕向けるんだよ。コマメちゃんはそこの詰めを間違えたから、花梨さん実際脱いでくれなかったでしょ?」 「なるほど、さすがパパ・・・!口先だけで何人もの女性を脱がしてきただけの事はあります」 コマメちゃんは感心しきり。良かった、分かってもらえたみたいだ。 「早渚さん・・・!どうして悪化させるような事を言っちゃうんですかねぇ・・・!?」 あれ、なんか花梨さんがキレてるような。なだめた方がいいかなこれ。 「か、花梨さん落ち着いて下さい。これはあくまで『高度な駆け引き』をティーチングしようとしただけでして」 「女性を脱がす駆け引きなんて覚えさせなくていいんです!」 そう言って私にフェイスロックをかける花梨さん。顔が締め上げられて痛い。 「か、花梨さん・・・ちょ、せめて向き、向き逆にして下さい。腕が顔面に当たると痛いんで、胸が顔面に当たるようにお願いします」 「この状況下でおっぱいを要求するとは、パパ意外と余裕ですね」 結局花梨さんは後頭部でしか胸の感触を味わわせてくれませんでした。
