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【封蝋スタンプ】飛んできた書状

「おっと」 私が商店街を歩いていると、強めの風に乗って何かが足元に飛んできました。拾い上げて見ると、それは封蝋がなされた封筒。中身はあるようですが、封筒に宛名などがなくどういうものかが分かりません。 「困ったな・・・開けるのはマズいしなぁ」 「これ、そち」 封筒を眺めていたら不意に近くから声をかけられました。はっとそちらを見ると、そこには・・・えと、何と言うか。 「公家?」 そうとしか言いようのない格好の男性が立っていたのです。白塗りの顔面、近代の町中には不釣り合いな束帯姿、典雅な所作。 「無礼でおじゃるぞ。麻呂は公家ではなく『久我』でおじゃる」 「は、はぁ・・・すみません。ええと、久我さんは私に何かご用でしょうか」 「ほほ。そちの持つその封筒、麻呂が落としたものでおじゃる。返してたもれ」 公家・・・じゃない、久我さんはそう言って扇で私の持つ封筒を指し示しました。特に断る理由も無いので、私は封筒についた砂利を手で払ってから彼に差し出します。 「苦しゅうない。そち、名乗られよ」 「あ、はい。私は早渚凪です」 邪悪な気配はしなかったので普通に名乗ってしまいましたが、名乗った後で天ノ杓さんの例を思い出し(テロリンだったらどうしよう)とちょっと思う私。そんな私の胸中など知らず、久我さんは封筒を仕舞うと余裕たっぷりの笑みを浮かべています。 「早渚殿、この後時間があれば麻呂を案内してたもれ。この町で一番裕福な人間の邸宅へ連れて行って欲しいのでおじゃる。礼は弾もうぞ」 「・・・はい、いいですよ」 最初の一言だけなら適当な都合で言い逃れようと思っていましたが、目的地が『そこ』なら引き受けた方が良さそうです。何せ私の家の隣なんですから、後で再会するのも気まずいし、何より晶さんや花梨さんに何かあると困ります。 「久我さんは徒歩で来てるんですか?」 「今は徒歩でおじゃるが、この町には電車を乗り継いで来たでおじゃる」 マジか。この格好で電車で来たの?剛の者過ぎるじゃん。絶対に一般人じゃない。晶さんのところを目指してる事と言い、この人も富豪の可能性かなりあるぞ。 「ピッピキピー、ピッピ、ピッピ♪」 金剛院邸の前まで来ると、コマメちゃんがご機嫌に歌いながら一人で外回り掃除をしています。何も言わずロボットが掃除してるだけなら面白くないけど、コマメちゃんみたいに個性あると癒し効果すごくて一人暮らしの人とかに需要ありそう。早く一般販売されないかな。 「コマメちゃん!晶さんいるかな?」 「ピ?あっ、パパー♡はい、晶お嬢様はご在宅です」 私の顔を見て嬉しそうにするコマメちゃん。私はコマメちゃんの頭を撫でてあげました。そんな私たちを見て、久我さんは少し驚いている様子。 「パパ、とな?早渚殿・・・よもやそちがからくり人形とは、麻呂はまるで気付かなかったでおじゃる」 「えっ?・・・あ、や、違いますよ。私がこのメイドロボットのコマメちゃんの名付け親なので、パパと呼ばれているんです」 「ピピー、パパがロボットな訳でもなければパパ活でもないのでご安心ください♪」 そう言って久我さんを安心させる間にも、コマメちゃんは花梨さんに通信をしてたようです。間も無く花梨さんがやってきました。 「遠路はるばるようこそお越しくださいました、久我様。久我様の使用人の皆様から『もしかするとそちらにお訪ねするかもしれません』と伺っておりましたが、次からはご相談いただければこちらで送迎を手配いたしますので」 「ほほ、麻呂が晶姫の住まう町をこの足で歩きたかったのでおじゃる。家臣には黙って出て来てしまったでおじゃるが。何せ麻呂が晶姫を訪ねるとなれば、牛車を用意して来かねんでおじゃるからな」 この感じだと、久我さんは晶さんの知人みたいだ。不審者と疑ってしまったのは申し訳なかった。 「早渚さん、久我様をお連れしていただきましてありがとうございます。日を改めて十分な謝礼をご用意します」 「ほほ、麻呂もそちに褒美を取らせよう。連絡先を教えてたもれ」 私は久我さんに名刺をお渡ししました。その後、花梨さんと一緒に屋敷の中へ入っていく久我さんの背中を見送りつつコマメちゃんに聞いてみます。 「コマメちゃん、久我さんってどういう人なの?」 「ピピー。個体名:久我猿麿(くが ましまろ)。年齢と性別:32歳男性。職業:『久我エレクトロニクス』社長。特記事項:晶お嬢様の婚約者最有力候補。です」 久我エレクトロニクスって、確かソーシャルゲームやコンシューマゲームの世界ではかなり有名な上場企業だったはず。やっぱりすごい人だった。というか、あの人が今の晶さんの一番の旦那様候補なんだ。 「晶さん、彼と結婚するのかな?」 「現状、晶お嬢様と久我様は険悪になる要素はなく、業務上は極めて良好なパートナーと言えます。ただ、晶お嬢様の恋愛的嗜好に合致するかはデータ上不確定要素が多く、私には判断不可能です」 晶さん、ベッドの上だと結構乱暴にされるのが好きだったりするし・・・久我さんにそういうガツガツしたイメージは全然無いから、恋愛上はどうだろうって私も思う。あれで久我さんが意外とドスケベだったりすればいいんだけど。 「紳士的な男性だと、晶さんの好みじゃなさそうだよね」 「ピー。だとするとあんまり良くないでしょうか。彼は自身の会社から発表するゲームは基本的にアダルト要素を排除する傾向があります」 そっか、と言いつつ私は久我エレクトロニクスのゲームをちょっと調べてみました。目立つところにある『ミンハザ』ってゲームを見てみましたが・・・。 「・・・コマメちゃん。多分だけど、久我さんは晶さんと上手く行きそうだよ」 「ピ?」 ミンハザもそうだし、他のゲームを見てみても監修に彼の名前がある。そして軒並み、久我エレクトロニクスのゲームは巨乳美女が出てくる。いくらアダルト表現を排除しようが、私の目は誤魔化せない。『妄想を煽る』ねらいがあるタイプのアングルや演出ってのが多すぎる。これは確実にエロい人間の仕業だ。 「まぁ、宿城の事もあるから王歩さんも晶さんも人柄はかなり気を付けて見てるだろうし、素行に問題がないならほぼ決まりだと思うよ。婚約パーティーには呼んでね」 「パパ?パパ~?」 どこか自分の事の様に嬉しい。晶さん、今度こそ幸せになれるといいな。

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もぐっちー(mogucii)
2026年01月25日 21時04分
Anera
2026年01月25日 20時39分
もみ
2026年01月25日 20時18分
みやび
2026年01月25日 15時50分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 基本はオリジナルキャラで、まれに二次創作作品を投稿します。オリジナルキャラに関しては、エロ系・グロ系含み完全コラボフリーですので気軽に連れて行ってください。 年齢区分は全年齢~R-15を中心に投稿します。R-18作品もたまに投稿しますが、現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、規約違反を含むR-18作品(性器描写等)は投稿できません。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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