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【ピアス】ドレスアップの重要性

2025年07月10日 15時50分
使用モデル名:zukiAnimeILL v5.0
対象年齢:全年齢
スタイル:イラスト
デイリー入賞 31
参加お題:

「ねぇねぇ紅サマ~、これエリスに似合いますかぁ~?」 天ノ杓エリスロは、そう言いながら耳に着けたハート型のピアスを見せつけた。見せつけられている相手は、実に興味のなさそうな表情の紅である。 「似合うかどうかは知らん。服装との相性は悪くない」 「もー、そこは『可愛いぞエリスロ』で(キリッ)とした目つきで(ニコッ)と笑ってくれればいいんですよぉ」 「・・・その反応を期待する相手を間違えていると思わないか」 ここは服飾品から宝飾品までが揃う店。ちなみにテロ行為のターゲットの店という訳ではなく、単純にエリスロが買い物に来ただけである。この後、仕事終わりの深海救太郎と合流して作戦の打ち合わせをする予定でいたが、その深海に緊急出動要請が入って救助活動に行ってしまったために打ち合わせ時間がずれて二人とも時間を持て余したのだ。 「そもそも、なぜ服や装飾品を買い足す。任務に必要なのか」 「あったりまえじゃないですかぁ。紅サマ、エリスの役割っていわゆる囮役ですよね?つまり、人を集める能力が重要な訳ですよぉ。さて、可愛い女の子といまいちな女の子、どっちが集客力が高いと思いますかぁ?」 「・・・なるほど、一理あるな。エリスロが可愛ければ可愛いほど、役割遂行能力が期待できるため、着飾る必要性があるという訳か」 「そうです、エリスが可愛いのは義務でマストで絶対条件なんですよぉ」 そう言いながら、次の商品を品定めするエリスロ。紅はそんなエリスロの後をついていく。ちなみに物が高額なので、ちゃんと店員も目を光らせている。そんな中で、エリスロに近づいて行く男が一人。 「あの、アイドルの天ノ杓エリスロさんですよね。私『月刊ストーカー』の追分(おいわけ)という記者ですが」 「え~?やだぁ、バレちゃいましたぁ♪」 エリスロは表面上には出さないが、如実に機嫌が悪化した。とはいえ、それは記者にも紅にも分からない変化ではあったが。 「今日はオフのご予定でしたよね。こちらの男性とデート中という事でしょうか」 「え~、そんなんじゃないですよぉ。ほらエリス、アイドルだからそういうのNGで~」 「しかし、随分と仲が良さそうでしたよね。写真も撮らせていただいてますが、仕事関係の知り合いには思えない距離感です」 予定を把握していた事や隠し撮りをしていた事に、エリスロの内心は怒り心頭であった。しかしここで怒りをあらわにすれば、アイドルとしてのイメージを大幅に損なう。それはテロリンとしても損失であり、エリスロはどうかわしたものかと思案する。その時。 「ご期待のところ申し訳ないのですが、俺は天ノ杓エリスロの弟ですよ。ほら、非公式サイトのエリスロのプロフィールページ見て下さい。家族構成に『弟』とありますよね。これ俺です」 紅が人当たりの良い笑顔を浮かべながら、スマホの画面を記者に見せた。そこにはまとめサイトのページが出ている。記者は「えっ」と声を漏らしてスマホの画面を凝視した。 「あれ、おかしいな・・・確か前見た時、両親も兄弟姉妹もいないって書いてあったはずじゃ」 「それは古い情報ですね。非公式サイトのまとめですから、有志がソースを持ってきて編集しますし、追分さんが見た時にはそう書かれてたのでしょうけど後から更新されたんでしょう。追分さんはエリスロの出演メディアでのトーク内容やインタビュー記事全て読んでますか?」 「い、いやそこまでは」 「でしょう。多分どこかでエリスロが発言したのを、ファンが拾ってここに掲載したものと思われます。ちなみにこれが証拠の運転免許証です。生年月日や名前を見てもらえば分かるでしょう」 紅が差し出した免許証には『天ノ杓紅介』の名前と2005年3月生まれである事が表示されていた。天ノ杓エリスロが2003年5月生まれで21歳であるという公式データから見ても、弟という言い分に不自然さはない。 (※作中の時間軸は2024年度で固定されています。) 「ああ・・・これは失礼しました」 「確認もないまま記事にしなくて良かったですね、追分さん。用件がお済みでしたら、どうかご遠慮ください。エリスロはアイドルですので、あまり家族の時間を取れないものですから」 紅は終始にこやかに対応し、追分記者を追い返してしまった。彼の姿が完全に見えなくなると、普段の様子に戻る。 「やはりお前は目立ちすぎるな、エリスロ」 「紅サマ・・・今のなんですかぁ?もしかしてエリスのために偽装工作とかしてくれてた感じですかぁ?」 嬉しそうににまにまするエリスロを横目に、紅は淡々と説明する。 「お前はアイドルとして活動するのが役目だ。恋愛関係にある異性がいるというようなマイナスイメージは避けるべきだと判断し、事前に非公式サイトの書き換えや偽造免許の作成をしていた。警察関係者や免許センター職員でも無ければ初見で偽造免許を見抜くのは不可能に近いからな。幸い、俺とエリスロはそこまで外見がかけ離れてはいないから『弟』と名乗るのが一番無難だと判断した」 「えへへー、紅サマがそんなにエリスの事考えてくれてたなんて嬉しいですぅ♡」 今にもくるくると回り出しそうなエリスロを、いつもの無表情で見つめる紅。その目には『任務に支障が出ないようにするためだ』と言いたそうな色がはっきり出ていた。 「紅サマ紅サマ、カモフラージュのためにエリスの事『おねえちゃん♡』って呼んでくれていいんですよぉ?なんなら『おねえちゃん大好き♡』ってハグしてくれても!」 「・・・」 紅は内心でため息をついた。そこまでやったら偽装の意味が無い。紅はエリスロに対し、作戦への緊張感を思い出させようとぐっと顔を近づけ注意する。 「弟だって男なんだからな。あまりからかうとどうなっても知らないぞ、おねえちゃん」 そしてエリスロの額を人差し指でぐっと押し、突き放した。要望通り『おねえちゃん』呼びもした事だし、エリスロも満足しただろうと紅は考えた。時間もだいぶ経っている、そろそろショッピングも切り上げなければならない。 「エリスロ、そろそろ時間だ。買うなら早くしろ。・・・エリスロ?」 「・・・ふぁい」 額を押さえて頬を染め、大人しくなっているエリスロを見やって、紅は首をかしげた。

コメント (15)

mooooooooo1230
2025年07月13日 13時47分

早渚 凪

2025年07月13日 14時14分

thi

エリスロさんの乙女な姿が良いですね

2025年07月12日 13時05分

早渚 凪

これ以降エリスロは「弟のように思って意識してなかった男の子から強引に迫られる」ような内容の話の恋愛小説を買い集め始めたとか。

2025年07月12日 16時54分

さかいきしお
2025年07月11日 14時19分

早渚 凪

2025年07月11日 14時34分

うろんうろん -uron uron-
2025年07月11日 13時48分

早渚 凪

2025年07月11日 14時34分

y1 紅
2025年07月11日 13時47分

早渚 凪

2025年07月11日 14時34分

五月雨
2025年07月11日 13時47分

早渚 凪

2025年07月11日 14時34分

へねっと
2025年07月11日 10時19分

早渚 凪

2025年07月11日 14時34分

ucchie2772
2025年07月11日 10時00分

早渚 凪

2025年07月11日 14時34分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 基本はオリジナルキャラで、まれに二次創作作品を投稿します。オリジナルキャラに関しては、エロ系・グロ系含み完全コラボフリーですので気軽に連れて行ってください。 年齢区分は全年齢~R-15を中心に投稿します。R-18作品もたまに投稿しますが、現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、規約違反を含むR-18作品(性器描写等)は投稿できません。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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