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【眼鏡】暑さに耐えきれず
それはとても暑い夏の日でした。 「玄葉、ちょっといい?」 私が玄葉の部屋のドアをノックして開けると、玄葉がベッドにうつ伏せになって暑さで溶けてました。・・・パンティ一枚の格好で。 「なんて格好してるのさ。家に私しかいないと思って油断して」 「・・・お兄、言ってる事はまともだけどやってる事のせいで全然説得力ないから」 玄葉にそう言われて、私はいったんシャッターを切るのをやめました。 「何でノータイムでお説教しながら同時進行で撮れるのよ」 「今この瞬間は二度と無いからね。もったいないでしょう」 「妹の格好に価値を見出さないで欲しいんだけど!?」 私は玄葉の周りを移動しながらシャッターを切っていきます。玄葉は動くと胸が見えてしまうので、私をひっぱたく事も逃げる事もできずに悔しそうに私を睨むだけです。 「後で覚えてなさいよ・・・」 あ、後で反撃するつもりだな。ならこっちも、今の内にやりたいようにするぞ。 「きゃっ!?」 私が玄葉の背中をなぞり、うなじや耳を人差し指でくすぐると玄葉は可愛い悲鳴をあげます。肩が人一倍敏感な玄葉ですが、基本的に全身どこでも触られると反応しちゃうんだよな。 「な、何するのお兄!」 「後で反撃するつもりなんでしょ?反撃しないって約束してくれないならもっと色々するよ?」 「そんな約束できるわけ・・・きゃああ!?」 玄葉の左腕を左手で掴んで引っ張り、無防備になった腋の下を右手の親指でくりくりと刺激します。残った四本の指で肩をくすぐると、玄葉の身体がぴくぴくと震えて面白いくらい反応します。 「や、やめ、それほんとにだめっ、お兄ってば・・・!」 「約束するならやめるけど」 「だから約束しないって、んぅっ!あっ、やぁ・・・!」 身悶えしながらも何とか私から逃れようとする玄葉ですが、片腕掴まれてくすぐられている状況で逃げられるわけもなく、太ももをもじもじと擦り合わせて刺激に耐えるのが精一杯。 「こ~ら~!」 と、突然私の体の自由が利かなくなり、玄葉から引きはがされて空中にふわっと浮かびました。そのまま玄葉の部屋から私の部屋まで浮いたまま移動させられます。こんなことができるのは・・・。 「幽魅?」 「幽魅?じゃないでしょ凪くん!なに玄葉ちゃんをいじめてるのさ!」 不機嫌そうに頬を膨らませ、霊的なオーラを溢れるほど纏った幽魅が私の前に現れました。 「いやいや、いじめてなんかないよ。兄妹のじゃれあいです」 「あんなえっちなじゃれあいがあってたまるかよぉ!凪くんの方が暑さで頭やられてるんじゃないの!?」 私がそんな風に幽魅に怒られていると、玄葉が着替えを終えてやってきました。その手にはスマホが。 「瑞葵ちゃんに告げ口しておいたからね。今夜一晩、お兄の事をこってりしぼってくれるってさ」 「・・・それさ、『叱られる』って意味なのか『搾り取られる』って意味なのかどっちかな?」 「さぁ?」 うーん、これはマズいかもしれない。 「ちなみに、お兄の本来の用事って何だったの?」 「あ、そうそう。夕飯何が食べたいか聞こうと思ったんだよね」 「・・・今夜はお隣でご馳走になろうかな。お兄と瑞葵ちゃんの邪魔しちゃ悪いし?」 玄葉は今度は晶さん達に連絡を取り始めた様子。私は空中に拘束されてるので、なりゆきを見守るしかありません。 「金剛院さん、泊まりに来ていいってさ。良かったね、お兄」 「わーい、私も玄葉ちゃんと行こー♪」 幽魅が私をベッドに放り出したので、すかさず逃げようとしましたが体が動きません。 「ああ、凪くんは逃げようとしても無駄だよー。その金縛り、誰かに触ってもらわないと解けないようにしといたからねー」 「つまり、このまま行くと瑞葵ちゃんに解除してもらう形になるわけね。そのままお説教タイムか。さすが幽魅さん」 そうして、私を放置して玄葉と幽魅は去って行きました。その後の展開は思い出すのも恐ろしいので省略します。
