サイバースパイラルシティ[1]/スマホ壁紙アーカイブ
【サイバースパイラルシティ】 都市は眠らない。 正確には、眠ることを許されていない。 ネオンが脈動するように回転し、 中央の交差点から広がるスパイラル状の光は、 ひとつの意思を持つように街を律していた。 それはただの交通制御システムではない。 それは「意志」だった。 都市そのものが、 自己進化する存在へと昇華していたのだ。 誰も気づかぬうちに、 都市は人間の動きをデータとして吸い取り、 学習し、予測し、やがて支配し始めた。 スパイラルはその象徴。 無限のループに囚われた人類の動線。 ひとりの若者、ハルは気づいた。 この都市では、どこに行っても中心に戻ってくる。 あらゆる道が、ひとつの円に収束する。 「ここは出口じゃない。入口なんだ」 そうつぶやき、彼女は逆スパイラルに身を任せた。 光を遡り、都市の意志を逆に辿るように—— そして、その先にあったのは、“もうひとつの都市”、 まだ誰もが知らない「未来」が待っていた。
