レンガ色の午後、風がやさしく通り抜ける街/スマホ壁紙アーカイブ
【レンガ色の午後、風がやさしく通り抜ける街】 午後の光がレンガの壁を金色に染め、 細い路地にはあたたかな風がそっと流れていた。 古い家々の煙突から立ちのぼる白い煙は、 まるで空へ向かう小さな手紙のようにゆっくりと揺れる。 風が通り抜けるたび、干された洗濯物がやわらかく踊り、 どこかで時計の針が静かに音を刻んだ。 この街では、急ぐ理由のない時間だけが静かに積み重なっている。 通りの奥で、小さな影がふと立ち止まる。 だれかを待っているようでもあり、 ただ風を聴いているだけのようでもあった。 その瞬間、路地全体がひとつの物語をはじめたように思えた。 レンガ色の午後。 風がやさしく通り抜けるたび、 この街は今日という日の続きを、静かに書き足していくのだった。
