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【ソフトクリーム】限定品ソフトクリーム争奪戦

ある日ミリシラは王都を離れ、オリゾン山麓の向こう側にある小さな町、その公園へ来ていた。 「うむ、実に美味じゃのう。酪農の盛んな地域のソフトクリームは格別じゃて」 ご当地産のミルクを使ったソフトクリームはこの町の名物。公園にはいくつもの屋台が並び、多くの住民が買いに来る。甘党のミリシラはこのソフトクリームのためだけに山を越えてきたのだ。 「んぁ~、ふわふわで柔らかいアイスだな~♡」 ミリシラの隣では、角や翼、尾といった特徴を持つ獣人の少女がソフトクリームを味わっていた。見た目の背格好が近いからか、妙な親近感を持つ二人。しかしその時である。 「メロン味の限定ソフトクリーム、残り一つ分しか材料がありませーん」 近くの屋台の一つがそう声を上げた。丁度アイスを食べ終わった二人は、我先にとその屋台に走る。もちろん、注文も同時であった。 「むっ」 「んぁ~?」 さっきまでの平和な様子が一変、にらみ合う二人。店員もどっちに渡せばいいのか困惑するばかりである。先に口火を切ったのはミリシラだ。 「お主、見たところ旅の者ではあるまい?ワシは王都からはるばる来ておるんじゃ、ここは譲ってはくれんか」 「んぁ~、そんな理屈は通らないぞ、そなたよ。私の方がほんのちょっぴり注文が早かったはずだ」 獣人の少女に要求を拒否され、むっとなるミリシラ。口調の上ではあくまで冷静に、しかし内心怒りを燃やしながら話を続ける。 「おいおい何を言い出すんじゃ、そんなわけなかろう。ワシの方が0.5秒早かったわ」 「私はそれより0.3秒早かったぞ」 「時間では何とでも言えるか。ならば年齢よ。ワシはこう見えて数百年生きておるエルフ。譲れ若造」 「若造はそなただ。私は千年は生きているぞ♪」 譲らない二人。静かに散る火花。決戦の火蓋は切って落とされた。 「よし店主、ワシはこの小娘と決着をつけてくる!ちゃんと取り置きしとくんじゃぞ!」 「んぁ~、わざわざ私のために取り置きを頼んでおくとは殊勝な心掛けだな、そなたよ♪」 二人は同時に公園から飛び立ち、町の近くにある丘の上に降り立った。 「この辺りなら人も動物もいなさそうだな。存分に私とそなたの力比べが出来そうだ」 「喜ぶがいい、貴様のような小娘が超エリートに遊んでもらえるんじゃからな」 「小娘とはご挨拶だな、そなたよ。私はティアマ・・・ティアだ」 「ワシは人呼んで全知全能の大賢者。その名もミリシラ・シッタカブール。世界最高の賢者の一人じゃ」 名乗りを済ませ、互いに構える。草原を撫でる風が、ふと途切れた。 「絶対にそなたにアイスは渡さん!」 「ほざけ、青二才がっ!」 ミリシラの放つ炎を、ティアの翼が巻き起こす風が遮る。返礼とばかり飛んできたティアの火球をミリシラは魔法の盾で弾き飛ばす。二人の実力は互角に見えた。そんな戦いが数分も続いただろうか。ミリシラはにやりと笑った。 「どうやらお主、想像以上に出来るようじゃな。じゃが、力の底が見えたのぅ。その程度ではワシに遠く及ばんぞ。その根拠を見せてくれよう。ハアッ!」 ミリシラは真の姿となり、封印していた魔力を解放する。ティアの表情がこわばった。 「どうじゃ、ちびったか?ごめんなさいするなら今の内じゃぞ」 「んぁ~、勘違いしているようだな、そなたよ。今見せているのが本気だと思ったのか?」 ティアの方も驚いた様子を引っ込め、にやりと笑って二本指を立てる。 「この私は変身をするたびはるかにパワーが増す。その変身を私はあと2回も残している。その意味が分かるな?」 「なんじゃと・・・?」 「んぁ~~~~~!!!」 ティアが気合を入れると、大気がビリビリと震え始める。めきめきとティアの体が大きくなり始め、服も作り替えられていく。しまいにはティアはミリシラの真の姿と大差ない大人の姿に変わっていた。 「時間がかかってすまなかったな、そなたよ。まだこの変化に慣れてないんだ・・・」 「・・・千年生きておるというのは嘘ではなさそうじゃな」 ミリシラも余裕の笑みを消して油断なく杖を構えた。ティアは続けて口にする。 「そしてこれが60%ってとこか・・・3分でこの丘(ヒル)を平らにして見せようか?」 「おお怖い怖い、やれるもんならやってみよ!」 ・・・そこからの激闘は筆舌に尽くしがたい。町から丘の様子を見ていた人間の証言によると「天変地異のように空で何度も爆発が起きていた」や「まるで魔王と竜が戦っているような凄いプレッシャーだった」などなど。壮絶な戦いであった割には場所が丘の上だった事もあり、町や住民へは一切の被害が無かった。 数時間後、二人は町に戻ってきていた。片や大賢者ゆえの回復魔法、片や竜ゆえの生命力により、すっかり傷も汚れもない。しかし二人はがっかりと肩を落としていた。 「ちゃんと取り置き頼んだのにのう・・・まさか営業時間が終わって帰ってしまったとは」 「んぁ~、欲をかくとロクな事がないなぁ。また別の日に来るしか無いな~」 しょんぼりと座るティア。ミリシラはまだ公園に残っていた別の屋台から普通のソフトクリームを二つ購入した。そしてティアの隣に座り、片方を差し出す。 「ほれ、普通ので良ければ食うがよい。本気のワシにあそこまで食らいついた褒美じゃ」 「・・・んぁ~♡ミリシラ、そなたは良い奴だな♪」 そして二人は仲良くソフトクリームを味わう。小さな友情が、そこに生まれていた。

コメント (13)

thi

ソフトクリームが結んだ友情です、蒜山に行った時のソフトクリームは確かに美味しい気分になりました

2025年07月03日 13時34分

早渚 凪

あのジャージーソフトですね。私は岡山に行った事はないので食べた事はないですが、その存在だけは知っています

2025年07月03日 14時03分

白雀(White sparrow)

フリーザ様なにのか戸愚呂弟なのかどっちなんだ!?

2025年07月03日 12時49分

早渚 凪

この話を書いた時は疲れてたのか、ドラゴンボールのセリフが散見されますね。なぜか戸愚呂弟が一か所混じりましたがw

2025年07月03日 13時58分

white-azalea
2025年07月03日 12時31分

早渚 凪

2025年07月03日 13時56分

サントリナ
2025年07月03日 03時15分

早渚 凪

2025年07月03日 13時56分

うろんうろん -uron uron-
2025年07月03日 01時27分

早渚 凪

2025年07月03日 13時56分

T.J.
2025年07月02日 23時22分

早渚 凪

2025年07月03日 13時56分

へねっと
2025年07月02日 22時04分

早渚 凪

2025年07月03日 13時56分

もみ

めでたしめでたし👍

2025年07月02日 22時03分

早渚 凪

ギスギスしたままなのは私が嫌なので、こういうエンドになりました

2025年07月03日 13時56分

129

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 基本はオリジナルキャラで、まれに二次創作作品を投稿します。オリジナルキャラに関しては、エロ系・グロ系含み完全コラボフリーですので気軽に連れて行ってください。 年齢区分は全年齢~R-15を中心に投稿します。R-18作品もたまに投稿しますが、現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っていますので、規約違反を含むR-18作品(性器描写等)は投稿できません。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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