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【狼】そりゃ一目で分かるよね
赤ずきん(以下赤)「おばあちゃん、こんばんポマードポマードポマード!」 おばあさんに化けた狼(以下狼)「ポマード!?どうしたんだい、いきなり」 赤「あら、逃げ出さないわ。えへへ、おばあちゃんごめんなさい。あんまり口が大きいから偽物がおばあちゃんに化けているかと思ったの。それで退散の呪文を唱えたのよ」 狼「そうだったのかい。でも大丈夫、ちょっと具合が悪いから顔がへんてこに見えるだけよ」 赤「そう、そうよね。ママも言っていたもの。『お前の婆ちゃん・・・アタシから見たらトメな。体調崩して寝込んでるらしぃんだわ。お前ちょっと行って一発お見舞いしてこい』って」 狼(このばあさんとこいつの母親、仲悪そうだな・・・) 赤「それでねおばあちゃん、お見舞いにリンゴを持ってきたのよ!」 狼「リンゴ?」 赤「・・・おばあちゃん、やっぱり変よ。いつもならリンゴと聞くと、小躍りしながら『げへへ、げへへ!リンゴやっだぁ!』って言ってるのに。もしかして偽物・・・」 狼「げへへ、げへへ!リンゴやっだぁ!うれぢぃ~!」 赤「本物のおばあちゃんだわ!」 狼(こいつのばあさん何なんだよ。リンゴって聞いただけでそんな知能指数下がる事ある?) 赤「ほら見て、おいしそうでしょう?森でワシ鼻のおばあさんからカツア・・・いただいたのよ」 狼(今一瞬とんでもない事言いかけなかった?) 赤「そのおばあさん、森で暮らしている娘さんに会いに行くところだったんですって。狼に気を付けてねって言っておいたんだけど、大丈夫だったかしら」 狼「ああ、このあたりには悪い狼がいるからねぇ。でもしわしわのおばあさんを襲ったりはしないよ。襲うなら若い娘さね」 赤「それなら安心ね。さぁおばあちゃん、いつもみたいに一口で食べて!口の中で豪快にゴリゴリ噛み砕くの、見ごたえあって好きなの♪」 狼(おいおいおい、こいつのばあさんマジで何なの。それくらいなら俺も出来るからいいけど、その内とんでもない特技出てきそうで嫌すぎる。こんなばあさんになりすまさなきゃ良かった・・・) 赤「ほぉーら、イッキ、イッキ!」 狼「よおし、よく見てるんだよ。ガリ、ガリゴリボリゴリガリ!ゴックン!」 赤「きゃー、すごーい!」 狼「ふふふ、どんなもんだい。さあ次はお前がボリボリ食べられる番・・・ウグッ!?ぐ、ぐるじい・・・こ、こいつはまさか、毒アッポゥ」 赤「おまえのようなババアがいるか!!おばあちゃんに化けた狼だな。一口で息は止まり血も凍るような毒リンゴのお味はどうだ」 狼「ょぅι゛ょっょぃ(ガクッ)」 赤ずきんのおばあさん(以下婆)「よろしい。我が一族に恥じぬ強かさだね」 赤「おばあちゃん!てっきりあの狼にやられたと思ってたわ」 婆「今何とお言いだい?このアタシがそこまで耄碌してるわけないだろう。お前を試すために、あえてアタシは隠れて狼がアタシになりすますのを見てたのさ」 赤「変装がモロバレ過ぎてどうしたものか一瞬判断に迷ったわ。ペースを握られないように咄嗟にポマード唱えたけど」 婆「もうちょっとやりようはなかったのかい。あの狼が賢かったらアウトだったよ」 赤「あの狼アホだったわね。おばあちゃんがリンゴに反応してあんなに知能指数が下がる訳ないのに。もっと変なリアクション要求すれば良かったかしら」 婆「およし。アタシがアホみたいに聞こえるじゃないか」 赤「可愛い孫に狼をぶつけようとするおばあちゃんっていう時点で十分アホよ」 婆「いい度胸がおありだね!首をはねてしまうよ!」
