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女子高生は 朝のぬくもり に覚醒する………♡【霧島 紅葉】
冬の朝。 外の空気は少し刺すように冷たいのに、窓から差し込む日差しはどこか柔らかい。 霧島紅葉は、両手でそっとマグカップを包み込むように持ち上げ、ふわりと立ちのぼる湯気を眺めた。 黒のリブニットに身を包んだ彼女の頬は、朝の光とスープの温もりでほんのりと赤く染まっている。 「ん…あったかい…。」 その一口だけで、冷えていた身体の芯までじんわりと熱が灯る。 スープの香りに目を細める横顔は、とても穏やかで、まるでこの瞬間だけ時間がゆっくり流れているようだった。 気持ちを整えるように深呼吸し、紅葉は窓の外の景色に視線を向ける。 今日がどんな一日でも、この最初の一杯があれば大丈夫——そんな確信めいた落ち着きが胸に満ちていく。 寒い朝は、一杯の温かいスープから始まる。 その小さな習慣が、彼女を今日も前へと優しく押し出していた。
