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【オーナメントボックス】ラファエル様のゲリラ雑談「オーナメントボックス」
ハローヘイロー地球の皆様、YESラファエルNO天使、義眼の聖女『ラファエル』です。 今日はヒマリさんから発信をお願いされて、こうして皆様にお届けしています。何でもミリシラ様がスキー場に遊びに行っててクリスマスをボイコットしたとか、地球の方では『青銅のプレゼントコンテナを投下するゴーレム』や『火炎放射で街を焼き尽くす老婆三人組』が現れてクリスマスどころではなかったようで、ミニスカサンタが足りないと。 そこで今日の私は、ヒマリさんから渡された衣装に着替えています。これを着て、箱の中でお話すれば大丈夫らしいです。ただ、箱の中と言われましても少し箱が小さくて、棺の様に寝転ぶ事もできませんし中に座ると上半身が丸ごと外に出てしまいますので、こんな姿勢で失礼いたします。これなら何とか体のほとんどを箱の中に収められますから。 さてさて、肝心のお話の内容ですけど・・・これが少し困りものですね。私は異世界の民なので、『クリスマス』という風習に馴染みがありません。去年ヒマリさん提案で行ったクリスマス会は今年も実施して、子供たちにプレゼントを配ったりもしたのですが、クリスマスの宗教的・文化的な意味合いをちゃんと理解しているかと言われると少し厳しいところがあります。ですのでクリスマスそのものについてのお話は、地球の皆様にお聞かせするのはまるで「お猿さんに木登りを教える」事みたいに無意味かと存じますね。ですからヒマリさんに教わった『オーナメントの意味』をいくつかご紹介しましょう。 まず、このたくさんあるボール型の飾りですね。こちらは『家庭円満』や『地球の平和』を象徴するようです。球体というのはどの角度から見ても円形のシルエットであり、調和を意味するためにそうしたシンボルとして使われるそうです。 天使の飾りも、家族や周囲の人々の『平和や保護』を願って飾られるものです。たまに天使そのものではなく翼だけという事もあるそうですが、意味は同じ。こちらの世界では天使はたくさんの種族の一つですが、地球では神に近しい守護者的存在として扱われているのでしょう。 赤と白の縞々の杖は・・・私には色が分からないのですが、多分形状的にこれですね。これはキャンディケインと呼ばれ、人々を『正しい道へ導く』象徴だとか。私は信力で周囲の様子が分かりますが、普通は目が見えないとなると杖などで周囲を探る必要がありますよね。そうした側面があって、杖は正しい道を教えてくれる存在として地球に馴染んでいるのでしょう。ちなみに色については、赤色はキリストさんの『血』で白色はキリストさんの『純粋な魂』としての意味があるそうですよ。 星のシンボルも、キリストさんの誕生を導いた星にちなんで飾られているそうで、ツリーの頂には欠かせないオーナメントです。宗教的意味合いの薄かったヒマリさんの故郷でも必ずと言っていいほどツリーの一番上は星だったそうなので、私たち聖職者にとっての『神』のようなものなのかも知れませんね。 あとはリボンやガーランド・・・ツリーに巻き付けるこれは『慈愛の抱擁』や『途絶えない永遠の絆』といった意味で飾られるのだというお話でした。こうして見直すと、ツリーを飾るオーナメントには『幸福』を願う意味がたくさんあるのですね。愛を感じます。 「しっ、失礼します!ハァッ、ハァッ」 あら、ヒマリさん?どうしましたか、そんなに息を切らせて・・・。 「ハッ、ハッ・・・フゥーッ・・・ラファエル様、本当にすみません!私確かに『箱に入ってお話してください』とは言いました!でもそれ、『全身を箱の領域内に収めてくれ』って意味じゃないです!上半身は出してていいんですよ!なんかこう、『プレゼント箱からひょこっと顔を出してる』的なイメージでお喋りしてくれたら可愛いかなって思って・・・」 あらあら・・・すみません、私が妙な解釈をしたせいでヒマリさんに走らせてしまったようですね。 「いや私の説明がマズかった・・・てかそれより、早く姿勢戻して下さい!見えちゃってますから!」 見え・・・?あっ、下着ですか?そう言えば法衣よりもスカートが短いですからね、うっかりしました。お見苦しいものを地球の皆様にお見せしてしまいましたね。 「手で押さえても隠せてないですって!ああもう、とりあえず発信終わりましょう!」 そ、そうですね。それでは失礼いたします、さよなラファエル~。
