招き猫の五重塔 ~リベンジ・オブ・ブラックキャット~
黒猫店長に、任務で発生した協力への対価を支払います。 えっ、いらないw? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 帝国自衛陸軍情報部対カオス分室に、**「高周波数のニャー音」**を伴う非正規通信が入電したのは、午後三時のことだった。 送信元は『黒猫』カフェ。 「内容は?」リゼット少佐は顔を上げず、スマートグラス越しに問う。 「『にゃあ。少佐、忘れてないにゃ?「貸し」の返済の時期にゃ。今週末、店の手伝いを頼むにゃ。 招き猫、やるにゃ』」富士見軍曹が淡々と読み上げる。 少佐のストレスレベルが跳ね上がる中、轟少尉が叫んだ。 「『招き猫』は『カオス集約の美学』!全身エナメルメイド服での任務と拝察いたします!」 その予感は的中した。 黒猫カフェ『黒猫』。カウンター中央。 リゼット少佐は、黒猫店長(ミニスカエナメルメイド服)に課せられた「借りの返済」という論理のため、非論理の極致に身を投じていた。 黒猫メイド服姿でカウンター椅子に座る少佐は、陶器の招き猫を抱きしめる。 冷静な表情は維持されているが、足元の猫たちがブーツの紐を引っ張り、その理性を揺さぶる。 その背後では、轟少尉が店長と同じエナメルメイド服で「肉体を伴う美学」を実践していた。 「少佐、『カオス集約の最終段階』です!」 轟少尉は、ケティ(メイド)を背負い、そのケティの頭上には、情報源の黒猫ケティが鎮座。**五重の「猫とカオスの塔」**が完成した。 少佐のスマートグラスには**『ストレスレベル:99.9%』**が表示される。 隅っこでは、エナメルメイド服の黒猫店長が、ニヤリと笑った。 「にゃあ……完璧にゃ。売上3倍増しになるにゃ!! これで、『カオスの借金』は全額回収完了にゃ」 この光景を、若菜少尉がスマホで撮影する。 「『対カオス分室』の非論理的な日常、広報、完了です!」
