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円環の絆と折神の修行

1. 決闘:格技場の静寂 早朝の格技場。凛とした冷気が漂う中、ブロント少尉は稽古着姿で仁王立ちしていた。その手には、深夜までかかって折り上げた金色の折り鶴リース――奥義『円環殃乱鶴(えんかんおうらんかく)』が、朝日に輝いている。 「富士見軍曹殿、いざ尋常に……勝負!!」 アンジェラの叫びと共に、金色の円環が空気を切り裂いて放たれた。気(チャクラ)を込めたというそのリースは、まるで意思を持つ刃のように、凄まじい回転で軍曹へと迫る。 2. 師範:静かなる流転 対する富士見軍曹は、和服姿で微動だにしない。飛来するリースの中心点を見切ると、吸い込まれるように右手の指先をその空洞へ滑り込ませた。 「……お見事ですわ、少尉」 柔らかな言葉と共に、猛烈な回転が軍曹の指先でふわりと霧散した。金色の鶴は一羽も潰れることなく、まるで最初からそこにあったかのように静かに軍曹の手に収まっている。 「くっ……気で相殺された!? 私の全力が、指一本で……ッ!」 膝をつき、畳を叩いて悔しがるアンジェラ。しかし軍曹は優しく微笑み、 「いいえ、これは素晴らしい『提出物』です。次はぜひ、これを私と一緒に飾りましょう」 と、彼女の努力を「武術」としてではなく「芸事」として全肯定したのだった。 3. 緩和:資料室の二人 数時間後、場所は変わって資料室。 「……やはり、私はまだ師の域には遠いようです」 そう言いながらも、アンジェラの顔に暗さはない。彼女は稽古着のまま、今度は私――若菜少尉の隣で、せっせと新しい折り紙を折っていた。 若菜少尉は茶髪のウェーブを揺らしながら、彼女の手元を覗き込む。 「アンジェラ、そこをもう少し角に合わせて折ると、もっと『気』が安定しますよ?」 「なるほど、栞! 貴女のアドバイスはいつも的確だ。……ふふ、こうして二人で机を並べるのも、一種の共同戦線ですね!」 アンジェラはとても楽しそうだ。 彼女にとって、折り紙はもう「武器」ではなく、私や軍曹と繋がるための大切な「言葉」になっているのかもしれない。 「見てください、栞。次はこれを、ひな祭りまでに巨大な城にしてみせます!」 「それは少し、気が早すぎる気がしますけど……」 二人の笑い声が、山積みになった色とりどりの折り紙と共に、資料室を暖かく満たしていった

さかいきしお

コメント (23)

なおたそ
2025年12月21日 08時58分
kacky333

「ムウ あれはまさか伝説の奥義『円環殃乱鶴』…!?」 「知っているのか雷電」

2025年12月21日 07時09分
たぬ仮面@妄想竹
2025年12月21日 06時56分
Kazui
2025年12月21日 06時25分
gepaltz13
2025年12月21日 04時22分
サントリナ
2025年12月21日 04時12分
よ~みん
2025年12月21日 02時38分
白雀(White sparrow)

気で折り鶴を飛ばして攻撃…大豪院邪鬼(男塾)か貴女はw

2025年12月21日 02時21分

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