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アンチー・セイリー伝説

夜の神殿、巫女服に身を包み、蛇骨刀を抱えたシャーリーが朗々と語り始める。 アンチー・セイリー伝説らしい。 「ふひひ、皆の者よ。アンチーという男がセイリーに追われたという伝説がありますな。拙尼の聞いた話では、男女の情念の恐ろしさが際立つ話だそうでございます!」 観客の視線が蛇骨刀に向かうと、シャーリーは得意げに解説を付け加える。 「ちなみにこの蛇骨刀、セイリーがかつて金鞭の達人として用いたものだとか……拙尼が聞いた話なので間違いござらぬが、伝承では“聖蛇のセイリー”と呼ばれておったそうでございますぞ!」 観客は小首をかしげるが、シャーリーは疑いなく得意げに、コントを始める。 「さて、この情念の行方は──!!」 そう言うや否や、シャーリーは鐘の下へ駆け寄り、蛇骨刀をぎゅっと抱えながら涙ぐむ美少女顔で身構える。観客は息をのむ。 鐘がズーンと落ちてシャーリーの姿は見えなくなる。 「とっ、閉じ込められた!!」「しっ、死んだんじゃ!」 観客の驚愕と恐怖が絶頂に達したそのとき、背後からシャーリーがのうのうと現れる。間抜けな顔で笑いながら、 「いやはや、男女の情念とは恐ろしいものでございますな~」 観客たちは一瞬呆然とするが、張りぼての鐘を持ち上げ、巫女様に被せようと両手を伸ばす。 「アンチー様、まだ題目が終わってませんぞ~!」 「鐘に閉じ込められてやかれるんでしょ!!」 「ぜひ、最後まで見させてください!!」 その声に、シャーリーは慌てふためき、蛇姫から逃げる安珍よりもはるかに素早い動きで、鐘の縁を飛び越え、屋根伝いに逃げ出したのだった。 観客たちは、最初の美少女顔が幻覚だったかのようなその豹変ぶりに呆れながらも、「このありがたいエセ巫女様、ちょっと懲らしめないとダメかも」と思いつつ、楽し気に新年の準備にかかるのだった。

さかいきしお

コメント (19)

よ~みん
2025年12月31日 16時21分
早渚 凪

バーナー持った老婆を3人ほど派遣しときますね!

2025年12月31日 14時11分

さかいきしお

フヒヒ、拙尼はこちらですぞ~

2025年12月31日 14時38分

五月雨

今年1年、ありがとうございました😊 来年も宜しくお願い致します🤭

2025年12月31日 13時40分

さかいきしお

ありがとうございます よろしくお願いいたす

2025年12月31日 14時37分

なおたそ
2025年12月31日 13時28分

さかいきしお

2025年12月31日 14時37分

クマ×娘 D.W
2025年12月31日 13時13分

さかいきしお

2025年12月31日 14時37分

ゆのじ
2025年12月31日 13時13分

さかいきしお

2025年12月31日 14時37分

999fun
2025年12月31日 13時11分

さかいきしお

2025年12月31日 14時37分

へねっと
2025年12月31日 11時29分

さかいきしお

2025年12月31日 14時37分

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