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閃光のミラージュ 番外編 【嵐の夜の、その先へ……】
あの夜、空は荒れ、風は激しく窓を叩いていた。 世界がまだ騒がしかった頃の、ほんの一瞬の静けさ。 劉妃とエリックは肩を寄せ合い、嵐が過ぎるのをただ待っていた――それだけの、ありふれた夜。 そして時は流れる。 ここは平和な世界線。 戦いも追われる使命もなく、朝の光がカーテン越しに部屋を満たす。 ソファに並んで腰掛ける二人の間には、小さな温もりがある。 劉妃の腕に守られるように座る子どもは、澄んだ瞳で前を見つめ、エリックはその背を静かに支える。 三人の距離は近く、言葉がなくても、心は同じ場所にあった。 嵐の夜に芽生えた命は、穏やかな日々の中で笑顔を覚え、歩みを重ねる。 窓の外の木々が揺れるたび、劉妃は思う。 「守りたい日常は、ここにある」と。 これは、英雄でも伝説でもない物語。 家族として選び合った三人が、同じ朝を迎え続ける――静かで確かな幸せの記録。 ※戦いの無い世界線ならこんな幸せが待っていたでしょうね(T_T)
