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閃光のミラージュ 番外編 【雪の日の約束】
家の前に広がる白い世界。 静かに降り続く雪の中、無邪気な足音が弾む。 小さな手には、劉妃が夜なべして編んだマフラーと、 お揃いの毛糸の手袋。 少し大きめで、でもとても温かいそれは、母のぬくもりそのものだった。 「見て、ママ! 雪いっぱいだよ!」 両手を広げて走り出す子供の背中を、劉妃はやさしい眼差しで見つめる。 かつて数えきれない戦いや別れを越えてきた彼女にとって、この瞬間は何よりも尊い奇跡だった。 転びそうになった瞬間、すぐに抱き留める腕。 子供は安心したように笑い、そのまま母にぎゅっと抱きつく。 「ママだいすき!」 小さな声が、雪の中に溶けていく。 劉妃は微笑み、静かに抱き返した。 この世界では、守るべきものはもう戦場にない。 あるのは、母と子が手を取り合い、同じ冬を笑って過ごす日常。 それだけで、この雪景色は何よりも温かかった……。
