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黒の車高短と、昼のプライド【天城ルナ(瑠奈)】
昼間の駐車場。 コンクリートに反射する光の中で、黒く艶やかなセダンの前にルナは立っている。 「これ? 見た目だけじゃないから」 そう言って軽く笑いながら、ボディに映り込む自分の姿を指先でなぞる。 この車は、ただの移動手段じゃない。 アルミ、足回り、車高。 少しずつ手を入れて、自分の“好き”を積み重ねてきた相棒だ。 派手なギャル、なんて一言で片付けられるけど、この黒いセダンだけは妥協しない。 昼の光で粗が出るからこそ、手入れも欠かさない。 エンジンを切った後の静けさの中で、ルナはボンネットに腰を掛ける。 「ちゃんと大事にしてるよ。人も、物も、自分の“好き”も」 低く抑えた車高と、凛とした視線。 その姿は“見せつける”ためじゃない。 これは―― 自分が積み上げてきたプライドを、さりげなく街に置いていくだけの時間。 昼の街で、黒い車と並ぶ天城ルナは、今日も変わらず、自分のスタイルを貫いている。
