1 / 6
ミント色のワンカット【天城瑠奈・霧島紅葉】
人通りの多い街角で、ふと声をかけられたのは、何でもない午後だった。 怪しさに一瞬だけ立ち止まり、それでも二人は顔を見合わせてついていく。辿り着いた先は、想像もしなかった大手出版社。 用意されたのは、完璧を求める舞台ではなく、“素人であること”を主役にした雑誌企画だった。 ミント色のブラウスとスカートに身を包み、カメラの前に立つ。 作られた笑顔ではなく、少し戸惑いながらも自然にこぼれる表情。 シャッターが切られたその瞬間―― 何気ない日常は、静かにページの向こう側へと写し取られた。 それは、まだ始まりにすぎない。 でも確かに、この一枚が、二人の物語の最初の“ワンカット”だった。
