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五日間の光、そのあとの白………【天城 瑠奈】
キャバクラのイベントは、五日間続いた。 ルナはバニーガールの衣装を身にまとう。 笑顔も視線も、役割通り。 求められるたびに、ルナは応え続けた。 最終日の夜が終わっても、疲れは体から抜けなかった。 心だけが、置き去りのまま。 イベント明けの休日。 瑠奈は一人、雪山へ向かう。 誰もいない白い場所を、ただ求めて。 静かな斜面で立ち止まり、無心に雪を集める。 手の中で形になる、小さな白いウサギ。 五日間の光も、声も、ここには届かない。 白は何も問わず、何も奪わない。 闇はまだ残っている。 それでもこの休日だけは、瑠奈が深く息をつける、確かな時間だった。
