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女子高生は〇〇に覚醒する………♡ (姉のぬくもり)
――夜のリビング、柔らかな灯りの中で。 霧島紅葉は、ソファに座る姉・紗耶の腕の中にすっぽりと収まっていた。 紗耶は昔から変わらない微笑みを浮かべ、 「紅葉ちゃん、無理してない?」と、そっと髪を撫でる。 その声はいつも、心のざわめきを静かに包み込んでくれる。 家族の中で、紅葉の“コスプレ”という夢を理解してくれるのは紗耶だけ。 衣装を縫う手伝いも、イベント前の緊張を和らげてくれる言葉も、 どれも姉らしい優しさに満ちていた。 小さい頃から変わらない―― 紅葉にとって、紗耶は憧れであり、安心の象徴。 ふと紅葉は囁くように呟いた。 「……やっぱり、お姉ちゃんが一番だね」 その言葉に、紗耶は静かに笑って、紅葉を少しだけ強く抱きしめた。
