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女子高生は妄想に覚醒する………♡ (霧島紅葉の深夜コスプレ会議)
――夜の静けさの中、紅葉の部屋にはパソコンの光だけが灯っていた。 キーボードを叩く音と、時折もれる小さな笑い声。 「もしお姉ちゃんが……メイド服を着たら……」 「いや、チャイナドレスも似合うかも……!」 画面には次々と展開される、紅葉の想像の中の“霧島紗耶”。 優しく微笑むメイド姿、少し大人びたバニースタイル、 上品に決めたチャイナ服――どれも完璧にハマっていて、 紅葉の頬は自然と緩む。 紗耶は普段から紅葉のコスプレ趣味を理解し、応援してくれる唯一の存在。 だからこそ、そんな姉が自分の世界に入り込んでくれる妄想は、 紅葉にとって最高の“ご褒美タイム”だった。 カチカチとマウスを操作しながら、 紅葉はつぶやくように微笑む―― 「……お姉ちゃん、やっぱり最強だわ……♡」
