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蒼穹のフロンティア【月明かりの窓辺に揺れる想い】
夜の艦内。静寂を切り裂くように、月光が大きな窓から差し込んでいた。 イザベルは頬杖をつきながら、夜空に浮かぶ月を見つめて微笑む。 戦場の緊張も、喧騒もない――この一瞬だけは、 彼女自身を“ただの若い女性”に戻してくれる大切な時間だった。 一方、すぐ近くの通路に立つリリアは、胸の前でそっと手を組み、 月の光に照らされてほんのりと紅く染まる頬を隠すように俯いていた。 まだ任務にも人間関係にも不安の多い彼女だが、 イザベルがいるだけで、不思議と心が落ち着く。 どこか対照的な二人―― 明るく社交的なイザベルと、控えめで温かなリリア。 それでも同じ月を見上げる今だけは、 彼女たちの心は静かに寄り添っていた。 戦場へ戻る前の、束の間の安らぎ。 それは、明日を生き抜くための小さな灯火となっていた。
