スマホ三脚+青空
三脚付きのスマホを構えたブロント少尉は、胸を張って立っていた。 設置よし、固定よし、起動確認よし。 手順はすべて、教範(マニュアル)どおりだ。 横にいた若菜少尉は、画面を一目見てから、少しだけ首を傾げる。 それから、いつもと変わらない穏やかな声で言った。 「……あの、少尉?」 呼ばれて、ブロント少尉は画面を見る。 そこには、澄みきった青空が映っていた。 ブロント少尉は小首をかしげる。 もう一度、三脚の角度を目で追い、手順を頭の中でなぞる。 ――問題はなかった(はず)。 ――なのに、空が映っている。 「……おかしいな」 ブロント少尉の呟きに、若菜少尉は答えず、ただにこっと微笑んだ。
