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シャーリー・クラウン講義劇場:セキュリティ講座「油断の代償」

学院の講義室。魔法学科のローブと魔女帽子という異様な格好のシャーリーが、おとぎ話風の箒を手に立っている。 「は~い。魔法学科助教のシャーリーで~す💛。今回は私が特別に講義しま~すの♡」 生徒たちは嘲笑する。 「せんせ~、いまどきそんな魔女信じているの子供か、田舎のおばちゃんぐらいですよw」 「先生、学芸会はまだ先ですよ~!」 シャーリーは満足そうに笑った。 「ふひひひ、皆さん、私の事を、魔法使いの真似っこしている変な道化だと思いますよね。ふひひ、そのとおり!!」 彼女は否定せず、黒髪ロングを揺らしながら、持っていた箒をひっくり返した。 トン! 柄の先で床を叩くと、箒の房を束ねていた紐が音もなく切れ、房が一瞬でばらばらに崩壊した。 その下には――鋭く磨かれた短槍の穂先が、冷たい光を放ちながら隠されていた。 生徒たちは一斉に息を呑み、静まり返る。 講義の本題:油断の代償 シャーリーは穂先を手に取り、その先端で床を軽くなぞった。 「これは、**『道化の槍』**とでも呼びましょうか。最も警戒されないものの中に、最も破壊的なものが隠されている。これこそが、セキュリティにおける最大の教訓でございますのよ」 彼女は続ける。 「皆さんがこの講義室に入ってきた時、私をどう判断しましたか? 『非常識な道化』、『低レベルな変装』、『無力な女性』と『権威のない、子供騙しのフォークロア』。全ての情報が、**『警戒する必要なし』**と判断させましたわね」 シャーリーは、穂先を魔法学科のローブの袖で拭いた。 「しかし、皆さんが軽蔑した**『おとぎ話の魔女の箒』は、一瞬であなた方の喉元を貫く短槍へと姿を変えました。この『油断』**こそが、スカウトや諜報活動において、ターゲットの命を奪う決定的な隙でございますのよ」 シャーリーはぎらつく短槍を抱えたまま、黒板に向かう。 「信用の錬金術」の講義で説いた**「信用」は、ここでは「油断」**へと反転するのです」 油断とは?:「この人物(物)は無害だ、馬鹿げている」と信じ切ってしまう心であり、セキュリティにおける最大の不幸を生むトリガー。 幸運神の宗旨: 幸運は、**「不確実な世界におけるリスクを管理すること」**で得られる利益。油断せず、**最もありえないリスク(魔女のほうき)**にも備えることこそが、不幸を回避し、幸運を招き寄せる努力である、と説く。 「ふひひ♡ さあ、皆さま。この講義が**『学芸会』**にしか見えなかった代償として――」 シャーリーは短槍の穂先を床に突き立て、ウインクした。 「本日、私は皆さんの荷物の中に、この**『道化の槍』と全く同じ構造の罠**を仕掛けさせていただきました。見つけられなければ、単位は無しでござる!」 一瞬で、講義室の雰囲気は**「おとぎ話の嘲笑」から「命懸けの探索訓練」へと激変した。これが、スカウト学科準導師・シャーリー・クラウンの最も胡散臭く、最も実利的なセキュリティ講義**なのであった。

さかいきしお

コメント (23)

クマ×娘 D.W
2025年10月30日 11時19分
ガボドゲ
2025年10月30日 11時07分
Kinnoya

油断禁物ですね

2025年10月29日 10時47分
T.J.
2025年10月29日 08時55分
thi
2025年10月28日 14時38分
もぐっちー(mogucii)
2025年10月28日 10時40分
kacky333
2025年10月28日 06時04分
gepaltz13
2025年10月28日 03時06分

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