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蒼穹のフロンティア【小さな守り星を胸に】
ユナ・アストリンは、胸元で揺れる金色のペンダントをそっと握りしめた。 それは、アリシアから渡された“大切なもの”。 ――「これはね、あなたを守る御守りよ」―― そう言ってアリシアが微笑んだ日のことを、 ユナは今でもはっきり覚えている。 戦場で傷つき、心をすり減らす日々の中で、 アリシアが唯一見せる優しい表情だった。 ペンダントはユナにとって宝物。 触れるたび、アリシアの温もりと安心がよみがえる。 ことあるごとに胸の前で握りしめては、 「アリシアおねえちゃん、きょうもがんばるね」と 小さな声で呟くのが日課になっていた。 艦内の光が反射して輝く金色の星は、 まるでユナ自身の未来を照らす灯火のよう。 そして、その輝きは彼女を見守るアリシアの心そのものだった。 ユナは今日も笑う。 胸に光る守り星を揺らしながら―― 大好きなアリシアがくれた“希望”を抱いて。
