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黒に堕ちよ(FALL IN BLACK)ーーブロント少尉降下歌ーー
ブロント少尉が、アイピク島で行われている、帝国海兵隊の演習に乱入します。 音楽に乗ってノリノリです。 https://www.aipictors.com/posts/613638 https://suno.com/s/buiorM4Rj3WG4OSA ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ヘリのローターが回転数を上げ、機体が微細な振動を伴って唸りを上げる。 艶やかな金髪をポニーテールに束ね、黒の詰襟軍服に各種徽章を整然とつけた少女士官、ブロント少尉は、機内の壁にマグネットで固定された海図と敵情報資料に目を走らせていた。 アイピク島のサバイバル演習に参加している帝国海兵隊。その実態は、仮想敵部隊として展開された全員筋肉質のごろつき系男ども── 「……ふふっ、例え相手が肉体言語専門でも、情報戦を制する者こそ、戦場の女王なのです」 腰の装具帯には模擬弾を込めたアサルトライフル、拳銃、手榴弾、銃剣をきっちり装備。背負ったALICEパックには即席陣地用の道具が詰め込まれている。 作戦内容はこうだ。 【敵陣形を後方より攪乱し、指揮系統を切断。浜辺に展開した海兵隊の背後を突く“女豹の強襲”。】 作戦名は──《Operation: 砂浜の王女》。 背後では、ぼろぼろのラジカセがギシギシ音を立てつつ、大音量で古い洋楽を響かせている。 ♪ I see a bad moon a-risin’ ♪ I see trouble on the way 「"Bad Moon Rising"……ふふ、悪い月は昇る。だが、昇らせるのはこの私だ……!」 僚機から無線が入る。 「こちらペリボーン1、目標地点上空。降下10秒前……Repeat, Drop in T-minus 10 seconds!」 少尉はぴたりと顔を上げ、ラジカセに手を伸ばして、**「カチャ」**と停止ボタンを押す。 「静粛に。──いまから戦争です!」 ガチャ、とラペリングフックを腰に装着し、ドアオープンの合図とともに、身を乗り出す。 そして、深く、深く息を吸った。 「エブリガーーイズ!!(一人しかいないけど!) ロックンロール!!」 その瞬間、黒い軍服と金の髪が南洋の陽光を弾き、ブロント少尉は空へ躍り出た。 海風が肌を撫でる。降下索がピンと張り、視界がアイピク島のジャングルと浜辺を捉える。海兵たちの焚火がちらつく。笑い声が聞こえる。 ──今、奇襲の女王が舞い降りる。 果たして彼女は、南海の「女王」か。それとも、純粋無垢な「王女」か。 ──その答えは、彼女が降り立った後にしか分からない。 だが、確かなことがひとつある。 「この島の主役は、私だ!!」 そして、サバイバル訓練は、突如として《戦場》と化すのであった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『黒に堕ちよ(FALL IN BLACK)』 副題:ブロント少尉降下歌 🎵構成(日本語歌詞) 【Verse 1】 黒きヘリが空を裂く 地図にない島へ降りる刻(とき) 私の影が地を刺す 戦場(いくさば)にこそ、舞い降りる者あり 「人は地を這うが、戦士は空から来る」 【Chorus】 🎶 黒に堕ちよ、風を切れ 銃声(おと)もなく、誰も見ず だが私は、戦略的に 空より来たる、唯一の者 🎶 【Verse 2】 隊など不要、命令もなし ただ一人で降りるのが作法 地に足つけて何が変わる 空から降りた瞬間が、支配の始まり 「上から来るぞ、気をつけろ」は、敵に言わせる台詞だ 【Bridge】(少し語り調) 🎶 音楽(おんがく)は兵の鼓動に似ている 私の鼓動がリズムとなり 雷鳴の代わりにロックを鳴らす ……これは奇襲ではない、“様式美”だ 🎶 【Final Chorus】 黒に堕ちよ、名を刻め 孤影(こえい)のままに笑い立つ 爆音と共に空を裂く これは降下ではない――宣戦布告だ!
