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ブロント少尉とカピバラ温泉
アイピクの探索任務中――。 「敵影なし、温泉あり」と部下が報告する。湯けむりの向こうには、カピバラの群れがのんびり浸かっていた。 少尉は真顔で宣言する。 「軍人たるもの、即座に行動できる姿が基本だ」 そして軍服を脱ぎ捨て――なぜかブルマ姿で湯に入る。 部下たちが慌てて叫ぶ。 「少尉! なぜブルマなんですか! 短パンではだめなんですか!」 少尉は湯気の向こうで振り返り、声を張る。 「馬鹿者! 短パンは水を吸ったらゴワゴワするだろう!」 「……なら、水着では?」 「馬鹿者! 水着で電車に乗れるか! 恥ずかしいだろ!」 部下がさらに聞く。 「でも……ブルマは恥ずかしくないんですか?」 少尉は胸を張って答える。 「馬鹿者! 恥ずかしいにきま――訂正! 軍人に羞恥心は不要!!」 部下たちは目を見合わせる。 「……え? 水着は恥ずかしいけど、ブルマなら羞恥心不要……って、自己矛盾してませんか?」 少尉は真剣そのものの顔で湯に浸かり、カピバラを指差す。 「馬鹿者、カピバラは羞恥心ゼロで生きている。我らもその精神を学ぶのだ!」 カピバラとブルマ少尉が並ぶ湯船――。部下たちは息を呑む。 「……やっぱり少尉、完全にカピバラに溶け込んでる……」 湯気の向こう、自己矛盾も暴論もすべて吹き飛んで、少尉はただカピバラと並んで静かに浮かんでいた。
