無茶振りトライアスロン
ブロント少尉は浜辺に仁王立ちしていた。 スクール水着にゴーグルとシュノーケル、そして肩にはフルサイズのロードバイク。 「我、これより水泳訓練に突入す! 泳ぎながらバイクを運搬し、即座にサイクリングへ移行する所存!」 冨士見軍曹は目を見開き、必死に止める。 「少尉! バイクを担いで海に入るなんて、常識的に無理ですって!」 しかし少尉は揺るがない。 「軍人は不可能を可能にするものだ!」 そのまま大声と共に、ロードバイクを担いだまま波打ち際へダイブ。 水しぶきと共に海へ突入—— ……が、次の瞬間。 ロードバイクの重量で一瞬で沈み、シュノーケルには砂が入り、少尉はもがきながら浮かび上がる。 「ぐ、軍人は……ごぼぼ……沈まぬ……!」 岸で見ていた軍曹は額を押さえてため息をついた。 「……沈んでますってば、少尉」 無茶トライアスロン、開始一秒で大爆笑の失敗に終わった。
